2月の雪はすごかったですね。
皆様のところに被害がないと良いのですが。
管理人の住んでいるところは、あまり雪が降らず、積もるほどの大雪は十数年ぶりでした。吹雪いている日の午後、管理人は部屋で雪に怯えていました。
カカカッと音がしたので、窓の外を見ると手すりにキジバトがいました。
短いひさしでも少しは雪から身を守ってくれるのでしょう。
「よう、調子はどうだい?こっちはご覧の通りさ、少々参ってる。ちょっとばかり休ませてくれ」とは言いませんでしたが、強風に煽られながらもしばらく羽を休めていました。
最後は突風で吹っ飛ばされてしまいましたが…。
そういえば、去年の晩秋あたりにベランダでよく遊んでいたキジバト。
去年の暮れに玄関の横にある木に巣を作って子どもを育ててたキジバト。
吹雪の中、手すりに休みに来たキジバト。
見分けはつかないけど、同じ鳩さんだったのかもと思ったりしています。
我が家のことを気に入ってくれてたら嬉しいです。
先日、駐車場で、ここらで有名な三毛猫さんを見かけたので
「キジバト襲わないでね」と言うと、チラッとこっちを見てプイッと行ってしまいました。愛想はありませんが、ここはああいう呼吸でOKです(たぶん…)
「ででーぽっぽー」と鳴き声が聞こえてくるのを楽しみにしている管理人でした。
…閑話休題、今回も2月の投稿記事約140本の中から
管理人が読んで面白かった記事をランキングで紹介します。
管理人の好きな話を厳選ピックアップしたTOP10です。
怖かった順ではなく、単純に管理人の好みですので、
興味のある方だけお目通しください。
第10位
根性で出来ない事は多いけど意外にできる事もある
かなりインパクトのあるお話です。
人生の最期にこういうことやってみたいですね。
めげそうになったら、このお話を思い出して頑張ろうと思います。
「根性の勝ちや!」
第9位
おめでとうは言いづらい
丑の刻参りしてたお姉さんと自販機の前でジュース飲みながら話してるところを想像してちょっと笑ってしまいましたが、最後はまさに絶句です…。
第8位
U先生
不気味な話ですが、読んでいて楽しかったです。
U先生の名前、日本に一人くらいは…いないか笑。
第7位
ジョージアの謎
怖い話ではありません。校内新聞部が不思議な伝統を解明するお話です。
その伝統がいまだに続けられている理由もいいですね。
ここの新聞部に心霊調査もお願いしたいです笑。
第6位
Hello again my old dear place
前世の記憶系のお話です。
こういう不思議な事が起こるって、とても素敵ですね。
タイトルは読んでいてふとある曲を思い出したので、ノリでつけてしまいました。
ニュアンスが合っているか今更ながら不安です笑。
第5位
りゅうちゃんの話
子どもの頃の不思議な友達りゅうちゃんとの思い出話。
ほんのりとした怖さがありますが、とても好きなお話です。
「必ず迎えに行くから待っててくれ」カッコいいセリフですけど…少し怖いですね。
第4位
山の中の山盛りのどんぶり飯の話
山好きの男性が山の神様になった話を思い出しました。
民話のような、なんとも興味深いお話です。
でも、このお話は夜中に読まないほうがいいですね…
お腹がぐぅ~となります笑
それではTOP3にいきます!
☆第3位☆
かんかんかかし
とても不思議で怖くて面白い話です。
父親の即興話の根底には、投稿者様に良い子になってほしいという強烈な想いがあったのかもしれませんね。悪いこと?しちゃうとかんかんかかしががが…
☆☆第2位☆☆
死体と踊る蛙
短編ですし、人によっては「ふーん」って感じの話かもしれませんが、
管理人的に2月の投稿記事ではトップクラスに怖かったです。
たぶん私の幼少時に怖かった映像とリンクしたのかもです。
怖いながらもちょいちょい読み返してしまいます。
☆☆☆第1位☆☆☆
お菓子を報酬としてたまに除霊している友人の話
除霊をするのにお金はいらぬお菓子をくれればそれでいい。
身近な人限定で除霊している友人から聞いたという話で、
土地神様の話、お祭りの話、家神(白蛇)様の話の3話あります。
どれも面白いです。
もし続きがあれば教えて頂けると管理人が小躍りして喜びます。
***********************************
今月はこんな感じになりました。
ランキングは記事を作った時の気分で選んでいますので、他にも大好きな話はいっぱいあります。それぞれにお気に入りの話を見つけて楽しんでもらえると嬉しいです。
明日から3月です。
桜の開花が待ち遠しいですね。
少し歩くと大きい公園があるので
散歩が楽しくなりそうです。
というわけで2月はこれで終了です。
ご訪問くださった皆様に大きな感謝を。
来月もマイペースに続けていきたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
おまけ
「熱々のコーヒーにラムをちょいとたらして持ってきてくれ、急ぎでな!」とは言いませんでした。寒そうです(´・_・`)
中学の頃、ヤラセの心霊写真で小遣い稼いでる奴がいた。
まあ俺も片棒かついでたんだけど。
『ヤラセ』と言ったところで、合成なんかのトリックでは一切無い。
要するに、仕掛け人Aが「ここだ!」と言ったところで写真を撮ると、
必ず何か写っているのだ。
客が持ってきたカメラで、客に撮らせるというのがポイント。
当時の中学生の小遣い基準を考えると、相当にいい稼ぎになった。
そいつとは幼なじみ(と言ってもそんなに親しくなかった)だったんだけど、
小さい頃は、高架下や裏路地など妙なところに座り込んで、
ボンヤリ遠い目をしてるおかしい奴、という印象しか無かった。
要するに、その頃からずっと『見て』いたんだろう。
成績も壊滅的に悪かった。掛け算出来ないんだから相当なもんだよ。
Aが言うには、出てくるそれは殆どの場合霊じゃないそうで、
「じゃあ何なのか」と聞いても答えてくれない。
ただ、それは割とAの自由になると言っていた。霊は自由にならないらしい。
客と撮影に出ても、『ここ』というポイントが見つからないこともある。
そんなときに行うのが『ヤラセ』だ。Aがそれをどこからかその場に呼ぶのだ。
これはAが疲弊するのと、また「あまり良くない」らしかったが、信用には変えられない。客層も幅広がってたし、仕事にかけるプライドみたいなものがあったんだよなw
で、中3成りたてのゴールデンウィーク、夕方。
俺達二人は、客といつものように撮影に繰り出していた。
場所は廃工場で、接客担当の俺は「死んだ工員の霊が…」とかなんとかテキトーに語っていたんだけど、Aがヤラセの符丁を送ってきた。
Aは知らない奴と一緒では集中出来ないのと、集中する姿が何と言うかヤバいのでw
符丁を送ってきた時点で、俺は客と共に少しの間場所を変える決まりになっていた。
作業場から廃工の入口、受け付けみたいなところへ移り、五分ほど…
中から絶叫が響いた。Aのものだ。
客をそこで待たせ駆けつけると、へたりこんで叫び続けるAの眼前に。
なんだろう?真っ黒い、巨大なキノコ雲のようなものがもうもうと立ち上り、広い作業場を埋め尽くしていた。
スゴすぎるそれに俺もドン引きで、呆然としていたが、まさか火事かと思った途端、ほぼ無意識に体が動いて、俺はAと客を連れ慌てて逃げ出した。
客が俺を追い越して何処かへ走り去る。
それはいいとしても、Aまで途中から俺を抜いていこうとしたため、腕を掴んで一旦止まらせた。止まらせても走ろうとする。
俺も興奮していたから、「あれは何か、どうしたのか」と聞くと、「父さんが死んだ」と泣く。
確かにその日の夕方、撮影の前、Aの父は交通事故で亡くなっていた。
携帯があれば話は早かったろう。
Aは一週間ばかり学校に来なかったが、登校してきて開口一番俺に言ったことには、
「もうああいう事はやめる。ああいう物を見るのもやめる。現実を見る」
元々仲が良かったわけでもない。
それに、親父が死んだとき、Aは俺みたいな馬鹿と、馬鹿みたいな小遣い稼ぎに興じていたのだ。仕方ない事とはいえ、罪悪感は拭いきれないだろう。
俺の方も罪悪感と気まずさがあって、つるむこともなくなった。
また、Aは「現実を見る」と言ったが、掛け算も出来なかったボンクラが、
それからいきなり成績を上げ、一年足らずで県下一の進学校に進学するまでになった。
今まで現実見てなかったせいで、ボンクラだったとでも言うのだろうか?
それまでAが見続けていた霊ではないそれの正体が、結局のところよくわからないんだけど、あのキノコ雲は参った。今でも夢に出る。
今思い返してもよくわからない話でスマソ
漠然とした後悔があるんだよな。
「僕のお母さんですか?」
登校中信号待ちでボーっとしていると突然となりの男が言った。
当時私は20歳の大学生、妊娠・出産経験は無い。
それに相手は明らかに30を超えていた。
ビックリして「ひっ…人違いです」と答えると、相手はその答えが意外だったかの様な反応で何でそんな嘘を付くの?と言った表情だった。
その反応に私が驚いた。
信号が青になると私は急いでその場を去りました。
こんな事を言っては失礼だが、障がい者っぽい雰囲気で、ガリガリで目はギョロッとしていて、よれよれのシャツに肩から黄色いポシェットを下げていた。
これが彼との最初の出会いでこの後数年に渡って何度も彼と遭遇しました。
その日から彼は毎日その場所で私を待っていて、
必ず「僕のお母さんですか?」と聞くのだ。
「違います」そう一言言えば去って行ってくれるので気味は悪いが
「警察」と言う程でもありませんでした。
しかしいつの日から大学にまで現れる様になり私は彼にきつく怒鳴りました。
二度と現れるなとか気持ち悪いとか、そんな事を言った気がします。
それからは現れる事も無く、東京の大学を卒業して実家へ戻り1年が過ぎたとき
東京の友人から久々に電話があった。
「あんたのストーカー男こないだ大学の近くで合っちゃってさぁ『お母さんはどこですか?』って聞かれて、恐くて逃げちゃった」と言う内容でした。
その話を聞いても「ああそんな男もいたな」ぐらいにしか感じず、
こっちには関係ないと思っていたのに、
次の年の母の日、玄関に萎れたカーネーションが置かれていました。
私は瞬時にあいつだ!?っと思い、恐くなって父に相談し警察に行ったが相手に去れません。被害と言った事件もなかったので当然と言えば当然なのですが私は不安で仕方がありませんでした。
そして数カ月が経った雪が積もる夜の事です。
私は街の歩道を歩いていました。
突然車がスリップし玉突き事故に巻き込まれたのです。
一瞬意識を失い次に気付いた時は車と倒れた木の隙間でした。
体中が痛くて身動きがとれず声を上げても、
周りは騒々しく誰も私に気がついてくれません。
隣では火も上がっていてもう駄目だと思ったとき
「おか~さ~ん、おかあさ~ん」
あの男の声がしました。
私は思わず「ここ!!助けて!!ここにいるの!!」と叫びました。
彼も事故に巻き込まれたのか血まみれでした。
雪を掻きわけ私を引っぱりだしてくれた彼を改めて見ると彼の方が重傷に見え
とても痛そうだったのに彼は私を見て笑って「お母さんですか?」と聞きました。
私は何とも言えない気持ちになり「…うん……うん」とうなづき
ぽろぽろと涙を流しました。
涙を拭い顔をあげると彼の姿はそこにはありませんでした。
ほんの一瞬で消えたのです。
それっきりもう何年も彼を見ていません。
いったい彼が何だったのかは分りませんが幽霊と言う物ではないとは思うのです…
雪が降ると時折思い出します、名も知らぬ息子の事を。
たまたま来られた方から聞いた話です。
その方は、60代くらいの女性で旦那さんと一緒にご夫婦でお越しになっていたのですけど。ちょっと前に行った場所で奇妙な事があったとの事で、少し話を聞いて欲しいと言うので聞きました。
とある有名な某神社へと参拝しに行ったその帰り道での出来事。
その某神社の周辺には急な坂があり、
よく事故がおこる事で有名な場所で知られています。
旦那さんは、慎重に坂を下って行きます。
その前方には乗用車が一台走っていたそうです。
その車がカーブで姿が見えなくなり、
不意に奥さんはサイドミラーに丸い点のような物が映ってるのに気付きます。
最初は、よく分からなかったそうです。
しかし、ソレはドンドンと近づいてきます。
ドンドン近付く毎にソレが何なのか正体が分かったそうです。
ソレは猛スピードで夫婦の車を追い抜いて行き、カーブの先へと消えていったそうです。
奥さんは、顔から一気に血の気が引くのが分かったそうです。
夫婦を乗せた車はやがてスピードを更に緩めながらカーブを曲がりきり……そこでブレーキをかけたらしいです。
何故なら、そこには前方を走っていた筈の車が事故を起こして停まっていたのですから。
停車しながら、旦那さんが言ったらしいです。
「おまえ、見たか?」って。
ソレを聞いてビックリしたそうです。
旦那さんも同じものをみていたからです。
此方をギョロリと凄まじい形相で睨みながら飛んでいく生首を。
友人の運転する車で一緒にドライブしてた時の話。
途中、人気の無い道を走ってたら急に女性が飛び出してきた。
で、思いっ切りその女性を跳ねてしまった。
もちろんブレーキかけて止まったけど、その時の光景が忘れられない。
女性がボンネットの上に乗り上げた勢いで窓ガラスに張り付く形になってた。
しかも顔が車内を覗いてる形になってた。
その上、その女性の顔が満面の笑みだった。
後からその女性の遺書が見つかって自殺しようとしてたのが分かったけど、
窓ガラスに張り付いた女性の顔が忘れられずに、俺も友人も車に乗れなくなった。
今では何とか乗れるけど、後部座席にしか乗ってない。
奄美のとある海岸でビデオ撮影をした時の話。
俺の家族、全員が思い出に残るようにって、
ビデオカメラをスタンドに固定して撮るんだよ。
で、兄弟とかで海で遊んでたんだよ。
その時は奄美に住んでる叔父とか従弟達も一緒だった。
まぁ、遊び疲れて、叔父の家に帰ってみんなでそのビデオを見たんだよ。
最初から身の毛がよだつ映像だった。
映像の真ん中ぐらいだったかな。裸の女の人がぼんやり映ってたんだよ。
髪が滅茶苦茶長くて、でも顔ははっきり表情まで見えた。
ぼんやり映ってたのに表情まではっきり見えたって矛盾してるかもしれないけど、マジでそう見えた。
心霊映像とかであるような睨んでるっていう表情じゃなくて笑ってたんだよ。
しかも、楽しそうに。何が楽しいのかは分からないけど。
で、家族全員何かに憑りつかれたようにテレビに見入ってた。
五分ぐらいしてからだったかな。
その女の人が徐々にカメラに近付いてきてるって分かったのは。
もう、全員顔が真っ青だった。
でも、ある瞬間におかしな事に気付いた。
その女の人の前を従弟が通り過ぎた。通り過ぎたはずなんだよ。
なのに、女の人はビデオに映ったままだった。
分かりにくいかもしれないけど、従弟が女の人の前を通り過ぎたら普通、従弟の影に隠れて女の人は見えなくなるだろ?
それがなくて、女の人はずっと映り続けた。
その時に少なくとも俺と叔父は気付いた。
ビデオに映ってるんじゃなくて、画面に映ってるんだ。つまり、そいつは俺達の背後に。
叔父は思わず振り向いたんだろうな。
叔父の悲鳴が聞こえて、俺達は一斉に散り散りに逃げた。
テレビの横がリビングと廊下を繋ぐ扉になっていたのが助かった。
後ろを振り向かずに済んだんだから。
外はもう暗かったが、叔父の家の前に全員飛び出した。
みんな顔が真っ青だったが、叔父が一番顔色が悪かった。
親父が叔父に「何がいたんだ?」って聞いても、震えて口を開こうとしない。
結局、問い詰めても叔父は口を開かなかった。
今となってはアレが何だったかは分からない。
あのビデオを再び見たが、女の人は映らなかったからだ。
やはり俺達の背後にいたらしいんだな。
でも、叔父の怯え方は女の人を見ただけとは思えなかった。
何故なら、叔父はこれまでも幾度となく心霊体験を体験したらしく、そういうのには全く怖がらないのだ。
その叔父が何故あそこまで怯えたのか、それも今となっては分からない。
叔父はその四日後、風呂場で溺れて亡くなったからだ。
そして一番の疑問は、どうやって女の人はテレビ画面に映ったか、だ。
俺達は全員『テレビの前に』座ってた。
つまり、女は俺達に遮られてテレビの画面に映ることが出来なかったんだよ。
これは四年前に俺の身に起きた実話。
俺は未だにあの女の楽しそうな笑みを忘れることが出来ない。
昔母ちゃんと車で出かけた時に、
「今日はどこかで運動会でもやってるのかねぇ」て唐突に話しかけてきたんよ。
俺は(何いってんだ?)て思いつつ、適当に「どうだろうね~」なんて答えてたんだ。
その日の夜は親戚が集まってばあちゃんの家でワイワイやってたんだけど、
「今日ここに来るときに”ワーッ”て大勢の人が騒いでる声を聞いたんだけど、どこかで運動会でもあったのかね」
て母ちゃんがみんなに聞いたんだ。
つっても今は夏休みだし運動会をやるような場所は近くに小学校があるくらいでもちろんそこで運動会もやってない 。
(というか俺が通ってる学校だったから何か行事があれば親も知ってるはず)
母ちゃんは相当気になってるのか「おかしいねぇ、おかしいねぇ」て繰り返すもんだから詳しく話を聞いてみたんだ。
母ちゃんが言うには、婆ちゃんちに向かってる途中少し小高い丘になってる所の横を通った時に、大勢の人が「ワァーッ!」て騒いでる声が聞こえて、その日は人が集まるような行事があるなんて聞いてないし、声もただならない感じの叫び声だったからずっとおかしいと思ってたらしい。
親戚の人達も行事があるなんて心当たりもなかったから
首をひねってたら普段無口な婆ちゃんがポツリポツリ語り出した。
「昔あの辺に汽車が通っちょってね。そん頃にそがぁし人が乗って走った時があったんよ。も人も一杯で窓から乗り出したり色んな所に掴まったんまま乗っちょったから坂道ん時に汽車が登れんごなってね。途中で逆に下り始めてそん時人が騒いで飛び降りたり押されて落ちたいして人が何人かけ死んだのよ」
婆ちゃんがいうには、戦前、母ちゃんが声を聞いた場所のあたりで汽車が乗客の重さに耐えられなくて山を逆走して、その時パニックになった乗客の何人かが落ちて亡くなったらしい。母ちゃんが聞いたのは多分その時パニックになった乗客の声だろうってさ。
これ見てる人もうすうすわかってると思うけどその日はお盆だったからさ。
婆ちゃんはそれ以上何も言わなかったし、そこにいた親戚もちょっと引いちゃって、
その日はお開きになったんだ。
親はみんな家に帰って、俺は従妹たちと次の日みんなで遊ぶ予定だったから婆ちゃんちに泊まったんだ。
そんで布団に入って少ししたら玄関にドンドンッ!て何かぶつかる音がして俺は(何だろう?誰か忘れ物でもしたのかな?)て思って玄関に向かおうとしたら、婆ちゃんが
「猪がきたねぇ…噛まれたら危ないから絶対に出たらいかんよ。そのうちどこか行くから出たらいかんよ」て見に行くのも止められてさ。
次の日起きてから見に行ったら、
ススみたいな黒い物が手形みたいに玄関に沢山ついてた。
猪が鼻とか前足で押して砂がついただけなんだろうって思うようにしたけど、それ母ちゃんが帰るときに通った玄関にだけしかついてなくて、他の場所には一切ついてなかった。
婆ちゃんはもういないし今となっては本当なのかどうかわからないんだけど、
あの時外に出てたら何が起こってたんだろうって今でもぞっとする…
ちなみに場所は鹿児島の隼人町って所の話 。
俺の祖母方の実家は旧家だったらしく、面白い話も良く聞いた。
その中から、怖くはないが不思議な話をしたいと思います。
親父が子供だった頃、まだ祖母の実家は取り壊されずに残っていた。
古くて大きな家で、天井がなく、代わりに蚕を育てる蚕棚があって、
時期になると蚕が桑の葉を食べるムシャムシャという音が聞こえるくらいだったそうだ。
大きな神棚もあり、座敷稲荷を奉った部屋もあったが、
親父はその座敷稲荷の部屋が嫌いだったらしい。
理由を聞くと「馬鹿にされたから」と親父は答えた。
詳しく聞くと、語ってくれた。
親父がまだ幼い頃、この部屋で昼寝をさせられた。
させられたというのは、親父自体は子供ながらにあまりこの部屋が好きではなく、いつも違う部屋で昼寝をしていたのだが、邪魔になるからといつもこの部屋に布団をひかれて運ばれてしまうのだ。
そうとは知らず親父が目を覚ますと、そこは嫌いな座敷稲荷の部屋。
あ~やだなぁ、と思ったら、急な金縛りになり体が動かない。
目ばかりきょろきょろと動く。
少しの間そんな状態が続くと、声が聞こえてきた。
声のする方に目を向けると、そこは座敷稲荷が奉ってある社。
「子供だ、子供だ」
「誰の子だ」
「(祖母の名前)の子だ、(祖母の名前)の子だ」
「どれ、ちょっと遊んでやんべ」
そういうとその社から、白い狐がヒュルッと飛び出してきた。
狐はささっと親父に近づくと、顔の上をピョンと飛ぶ。
今度は反対側から近づくと、また顔の上をピョンと飛ぶ。
そんなことを何回か続けてから、狐は親父の顔を覗き込むとにやっと笑った。
怖くなった親父が泣き出すと、狐はいつの間にかいなくなっており、金縛りも解けている。様子を見に来た大人たちに話をしても、誰も信じてくれなかったそうだ。
「狐は笑うぞ」というと、親父もにやっと笑った。
俺が中学までいた田舎には、
漫画の中でしか出てこないような不良が未だに生息しててね。
ボンタン、短ラン、エナメルベルト、ツッパリ上等リーゼント、超薄い学生カバンと、
身を固めるアイテムも1世代前。
しかしなんというか、どこか憎めない連中だったんだ。
地域密着型というか、地元の人も、
「おうガキども、タコヤキ作りすぎたから食っていけ!」
「おう、ゴチになるぜオッサン!」
みたいな感じで交流してるというか、ちゃんとスジの通ってる連中だったんだよ。
(だから高校になって田舎を離れ、町にいる不良連中を見たときに、『なんて野蛮なんだ』って思ったぐらいだし)
ある日、そんな不良グループが、通学路の小道(近道の1つ)に集まって通せんぼしている。ウンコ座りしてる連中が、その道を通ろうとしている下級生とかにガンを飛ばして遠回りさせていた。その中にクラスメイトがいたんで、「え、この先でケンカでもしてるの?」と尋ねると、首を横に振られた。
「Aさん(上級生で、不良グループのリーダーやってる人)が、ここ誰も通すなって。あぶねーからって」
「なんかAさんがB爺さん(ウチの中学で教頭もしている住職)呼んでるってよ」
そう言うクラスメイトや不良たちは、少しビビってる感じ。
確かにこの小道では、ここ最近小さな事故が頻発していた。
子供が側溝に落ちて頭を怪我したり。
そうこうしてると、B爺さんを連れたAさんがやって来た。
リーゼントの不良と坊さん姿の年寄りの組合せは、なんとも奇妙だった。
その2人だけで小道に入ると、B爺さんの「成る程なぁ」という声が聞こえ、
続けて読経が始まった。
かなりの時間が過ぎて2人が小道から出てくると、
Aさんが「もういいぞ」と不良グループを解散させる。
B爺さんもAさんに、「わざわざスマンかったな」と声をかけて帰っていった。
それから不思議とその小道で事故は起きなくなったが、B爺さんがマメに足を運んで読経し、お供え物を上げていた。
10年たって、そのときのクラスメイトに話を聞いたんだけど、
Aさん高校受験に失敗してB爺さんの寺で世話になったあと、県外にある同門の寺へ修行しにいったらしい。
クラスメイトは「あのAさんがなぁ」と言ってたが、俺はなんとなくピッタリだと思った。
俺の家にいもうとが居て、いもうとと言っても人間じゃなくて、
何か赤ん坊くらいの大きさがある、照る照る坊主みたいな奴だった。
下の方のスカートみたいな部分を丸く結んだ感じ。
まあつまり、『i』みたいな形の奴。
それを母親は「いもうと」と呼んでた。
俺がずっと小さい頃からそうだったから、
幼稚園の頃まで俺は『あれ』が妹なのだと思ってた。
幼稚園にいる他の子で「妹がいる」と話す奴が居ると、
あいつの家も『あれ』があるんだと思っていた。
俺の家の『いもうと』は、食卓に座ったり、ソファに腰掛けたり、家族として扱われているようだった。
食事時になると、母がそれを椅子の上に置いたりしてた。
そして、「いもうとが置いてある」みたいに俺が言うと、母はいつも怒った。
『座る』じゃないと駄目らしかった。
ある日。幼稚園で何かの拍子に、『妹』は普通『人間』だと知って、母に尋ねた。
「あれはいもうとじゃないよね?」みたいな風に。
そしたら母は猛烈に怒った。
「ふざけるな、何を言ってる。あれは絶対“わたしたちのいもうと”なんだ」と。
後から考えると変な言い方だった。『わたしたちの』
こっぴどく叱られた後、それでも懲りず父親に同じ質問をした。
そしたら今度は、普段元気な父が、何か言いたいが言えないみたいな顔になって、
何も言わずに部屋にこもり、丸一日出てこなかった。
小3の時に、父が死んで三日もしない内に、母親と一緒に近くの山へ車で行った。
見晴らしのいい崖みたいな所で車が止まった。
いつも『いもうと』は外出しなかったけど、この日だけは車に乗ってた。
母は車から『いもうと』を降ろし、「あんたはここに居なさい」と言う。
何をするのかと思ってたら、いもうとの首と胴体がくびれてる部分を、ばちんとハサミで切って、投げ捨ててしまった。
母はいつも『いもうと』を大切に扱ってたから驚いて、
「いいの?」と訊くと、「おとうさんが死んだから、もういいの」と言われた。
それから、母との間で『いもうと』の話は一切出なかった。
あれは一体何だったのか尋ねようとしたけど、先延ばしにしてたら去年母が死んだ。
この話、友人に話しても何が怖いのか訊かれる。俺自身は結構怖い。
何かの宗教とも思えないし…。何か解る人いない?いなさそうだけど。
俺は二年くらい前から小さい古本屋でバイトをしてる。
まさに「古本屋」のイメージ通りの店。
床や柱は黒っぽい木造で、ちょっと暗くて古めかしい感じなんだが
俺が来る前に入口を改装したらしく、そこだけ不自然に自動ドアになってる。
客が来るとピンポーンってセンサーで音がなるタイプ。
こないだの土曜日、店長と奥さんが地域の集まりかなんかで出かけてて
店には俺一人だった。まぁそれが暇なんだ。いつも暇なんだけど。
たまに通りすがりの人が外のワゴン売りの安い文庫をパラパラしてるのが見えるくらい。
店長達がいたらサボれないけど、一人だから堂々とカウンターで本読んでた。
18時半くらいかな?さすがにちょっと掃除でもしようと思って本を閉じた時に
チリーンって音が響いた。風鈴みたいな。
何故かその時俺はそれが自動ドアのセンサー音だと思って
「いらっしゃいませー」って入口の方を見た。自動ドアが開いた。
でも人の姿はなくて、あれ?って思った時、ふいに左側から影が現れた。
反射的に振り向いた。目の前に麻みたいなガサガサした着物があった。
え、ってそのまま見上げると、のっぺりした黒い一つ目のものがいた。
目というか、のっぺらぼうに絵で丸を描いた感じ。
ロンドンオリンピックの変なキャラクター、あれに似てた。
あれの首をひっぱって伸ばして肌を全部かさぶたにしたような、
よく分かんないものが暗い緑の着物を着て立ってた。
腕は無さそうだった。
蛍光灯の灯りが逆光になって俺にそいつの影がかかってた。
俺はもう完全に固まってて、ひぃ、みたいな声を漏らすだけ。
金縛りだったのかもしれない。よく思い出せないけどとにかく動けなかった。
そいつはその絵みたいな目の黒目をグリグリ回しながら頭を左右に揺らして
ザザザザザ…みたいな変な音を出してた。
声だったのか、あのガサガサの肌と着物がこすれてたのかは分からない。
少しずつ、そいつが顔を近づけてくる。
細くくびれてる首をぐにゃ~っと曲げて俺の目の前まで寄った時
またあのチリーンって音がした。
途端、そいつの頭が首からもげるようにべろんって落ちた。
千切れた首の上に下あごが、小さい歯がびっしり並んでた。
黒い穴みたいになった喉からおおおおおおって妙に甲高い震えた声を出しながら
ごぼぼぼ、と黒い血のようなものを吹き出した。
まばたきの間か、ほんの一瞬でそいつは跡形もなく消えてた。
全身の鳥肌と変な汗が気持ち悪くて、できるだけカウンターから離れて
入口の所で外を通る人を眺めて気持ちを落ち着かせてた。
その後すぐ店長達が帰ってきたけど、
こんな話をするわけにもいかず黙って店じまいを始めた。
俺が自動ドアのセンサーを止めてシャッター閉めて帰るんだけど、そのセンサーの下に
かさぶたのようなものが落ちてるのを見た時は本当に気持ち悪かった。
もう出ませんように…
1001 名前: おコワ【管理人】 14/02/26 21:00 ID:terakowasu
※参考までに
変なキャラクターと言われてしまった(笑)
ロンドンオリンピックの公式マスコット
「ウェンロックとマンデヴィル」
僕は登山が好きだ。連休が取れれば必ず登山に行くほどに。
僕には好きな山がある。
標高はそれほど高くないけど、険しい道のりで毎年遭難者が出ている山だった。
道の整備が進んでいないから、登山家の中でも敬遠されがちな山だった。
僕は人が少ないその山を大いに気に入っていた。まるで僕だけのもののようだった。
ある休日のこと、僕はその山に登山に出かけた。
鳥のさえずりと川の流れる音がすがすがしい。
しばらく歩いていると吊り橋がある。頂上に行くにはそこを通らなければならない。
つり橋に差し掛かったとき一人の男がいた。男の様子が変だ。
男は手すりの外に立って、下をただ見つめている。
僕はとっさに言った。
「危ないですよ!!」
男は気づいてこちらを向いた。
僕は悟った。男は飛び降り自殺をしようとしているのだ。
僕はさらに言った。
「あなたが死んだら、奥さんや娘さんはどうやって生活するんですか。自殺なんてやめてください」
そんなことを言ったと思う。
俺は男の家族なんて分からない。
どこかの刑事ドラマで見たようなセリフを吐いただけだ。
男は僕のほうを見て、
「勇気が出ました」
そう言ったと思う。
僕は自殺をやめたと思った。良かったと思った。
そのとき、男はぱっと手を離した。男は飛び降りたのだ。
僕はすぐさま119を呼んだ。
山奥だったし、数十メートルもある谷底だ。男は助からなかった。
後で分かったことだが、男は保険金をかけて、事故に見せ掛け自殺したのだった。
俺は救急隊員に事のいきさつを説明した。
当然保険金は下りなかった。後味が悪かった。
俺はそれ以来、遭難者を見ても見ないふりをしている。
小さい頃(小学校に上がる前くらいだったかな?)爺さんの車で買い物から帰宅した。
家は小さな民宿をやっていたんだが、
海沿いの崖の上に立っており、駐車場の少し後ろは崖になっていた。
自分はというと、爺さんに買ってもらった玩具にご満悦で車の中で遊んでいた。
爺さんは、まだ車で出かける用事があったらしく「すぐ戻ってくるから、車で待ってなさい」と言って、エンジンを掛けたまま車から降りた。
自分は(またドライブにいけると)ご満悦で「分った。」と返事をして車で遊んでいた。
少しして気がつくと、何故か自分は家の裏の倉庫(料理用の食材倉庫)で遊んでいた。
(ここが全く記憶に無い。何時移動したのか。何時車から降りたのか?)
そして家の前の駐車場が騒がしい。
「○○(自分の名前)が死んだー!!」と大人達が叫んでいる。
爺さんが「自分のせいだ!!」と泣いている。
訳が分らず「どうしたの?」と出て行くと、大人達が目を丸くして驚いていた。
何でも、車のサイドを引き忘れていたらしく、車が崖から転落したらしい。
崖の下を覗き込むと、爺さんの車がひしゃげて煙を吹いていた。
凄い音がして大人達が気がついたらしく、
車に自分が乗っていたので、死んだと思ったらしい。
只不思議なのは、倉庫には食材が置いてあるので、店の中を通らないと行けない。
カウンターの裏なので、カウンターをくぐらなければならず、そこでは爺さんと親父が話していた。だが、誰も自分が倉庫に行くのを見ていない。
(と言うか、見ていたら車に乗っていないのは分かる。)
今でも、崖の下の車だけは鮮明に覚えている。
昔、桑原と言うところに、市兵衛という雷が大に苦手な男がいた。
この男の雷嫌いは凄まじく外で働いていても雷が鳴るとすぐに家に逃げ込み、
押入れに隠れてしまっていたという。
ある日のこと。市兵衛が外に出ていると、突然雷が鳴り出した。
市兵衛は肝を潰して家に逃げ帰り、押入れの中に閉じこもって震えていたそうだ。
その日の雷はやけにしつこく、いつまで経ってもなかなか止まなかった。
そのときだった。ひときわ大きく雷が鳴り響き、市兵衛の家に落雷した。
市兵衛はあまりの恐ろしさに気絶してしまった。
ふと気がつくと、押入れの暗がりで何かが走り回っている。
ネズミか?と市兵衛が捕まえてみると、それはネコともネズミともつかぬ得体の知れない生き物だった。
「貴様、俺は雷で機嫌が悪いんだ。お前は何者だ?!」と市兵衛が大声を出すと、
その生き物は甲高い声で「俺は、雷様の息子だ」と言った。
市兵衛は驚いたが、同時に雷様の息子と聞いてますますイライラしてきた。
「雷の息子がここへ何しにきた?」と問うと、雷様の息子はぶるぶると震えた。
「俺は父親に言いつけられて太鼓を叩いていたが、調子に乗って太鼓を叩いているうちに雲の切れ間から足を滑らせて落ちてきたのだ」
雷様の息子の説明を聞いて、市兵衛はますます腹が立った。
「貴様、人がこんなに雷が嫌いなのにわざわざ人の家に落雷させやがって。お前をぶち殺して煮て食ってやる」と市兵衛が首を絞めると、雷様の息子は泣き出した。
「助けてくれ、もう雷は落とさないからどうか命だけは」と懇願するので、市兵衛も慈悲を取り戻し、「ならば命だけは助けてやろう」と放免してやることにした。
「恩に切ります。ここはどこのなんというところですか」雷様の息子が聞くので、
市兵衛は憮然として「ここは桑原、俺は市兵衛というものだ」と言うと、雷様の息子は「桑原の市兵衛のところに二度と雷を落とさない」
と堅く約束して、空の上に帰ると言い出した。
「どうやって帰るんだ」と市兵衛が聞くと、雷様の息子はこの辺りで一番高い木のところに連れて行ってくれと言う。
市兵衛が家の周りで一番高い木の上につれてゆくと、雷様の息子はするするとその木を登り、見えなくなってしまった。
それから、雷を避けるときには「桑原、桑原」とか「市兵衛、市兵衛」と唱えると、雷はそこを避けるのだそうだ。
温泉旅行が好きで、ひなびた旅館に宿を取ることが多いです。
そこで私は異様な体験をしました。
天井と鴨居の間、欄間ですね、夜に眠っていたら、そこから覗いている目があったのです。いっしょに泊まっていた友人を起こして、隣を確認しました。
ろくろ首の類かと思ったら鏡台が置いてあり、そこに足をかければ容易に覗ける構造です。しかし嫌な体験をしたものだ……。
ビジネスホテルにでも泊まればよかったと後悔しながら眠りました。
気の晴れない朝をむかえて、旅館の人に昨晩の話をしました。
すると、事の由来を教えてもらうことができました。
「近親婚が繰り返されることを防ぐために、若い旅人を見つくろう風習がかつてあった。
ところが、見知らぬ相手と体を交えるのを望まなかった娘が自害して、以来、そのような現象が起きるようになった……」
よくある話です。大変申し訳なかった、他のお客さんからもときどきそのような苦情を受けるのですと謝罪されました。
むしろ後から知って、怖気の走った事実があります。
旅館をあとにして、たまたまその地域の人と話をする機会があったのですが、話に聞いたような風習は存在しなくて、それよりも、とある旅館をいとなむ人物に窃視症の傾向があって、町としても困っていると聞かされたことでした。
あのときに私を覗いていたのは、因習の話を作り上げた旅館の人だったのです。
おそらく今でも覗き続けているのではないでしょうか。
転勤で札幌に住んでた頃の話。
といっても、そんなに昔ではなくある程度最近の話なんだが
会社は札幌の中心街、札幌駅の近くにあって、夜21時くらいまで働いていた。
一人暮らしの俺は会社から自転車で15分くらいのアパートに住んでいた。
毎日会社と家との往復で特に遊ぶこともなく、働いて食べて寝ての繰り返しの日々だった。
冬は(雪が降る為)自転車通勤が無理だが、夏は毎日同じ道を通って帰っていた。
ある日のこといつものように、北に向かう一方通行の道路を自転車で走っていると暗い中、北20条くらいの十字路の左側にクリスマスの電飾のような明かりがピカピカと綺麗に光っているのを見かけた。
いままで何度もここを通っているが、見たことが無かったので、ちょっと気になって近くまで行ってみた。
そこには看板に「なんとか亭」と書いてあり、cafeかレストランか、とにかくお店だった。時間はいつもより1時間くらい早い20時頃だったので、いつも通る時は閉店してるお店なんだなぁとその時は軽く考えた。
ちなみに「なんとか亭」というのは正式名称ではなく、「なんとか」の所には何かが入るんだがそれがどうしても思い出せない。
ちらっと外から店をのぞいてみると、少しこじんまりした雰囲気だが大きめの店内にお客さんがぽつぽつと居て、アンティーク風の雰囲気の中、店主らしき女性が料理を作っている姿が見えた。なんかレストランかな~、仕事が早く終わった時にでも寄ってみよう!
とその時は思って帰宅した。
毎日忙しい中過ごしていると、そんなこともすっかり忘れ、またいつものような日常が始まる。1か月後くらいにまた早く帰れる日があり、ふと「なんとか亭」の事を思い出した。
帰り道、その店を探しながら自転車に乗る。左側にあったよな~と思いながら、十字路に差し掛かるたびに左を見るがその店はないあれ、もっと北だったかなと思い進むが無い。
とうとう家についてしまったが、その時は見過ごしてしまったのかと思っただけだった。
次の日も早めに帰れたので、また探す。
しかし十字路があるたびに左を見ても、あのキラキラ光る電飾と看板が無い。
またもや家についてしまった。
どうしても気にになった俺はネットの「食べログ」って奴でお店を調べた。
「なんとか亭」、「なんとか亭」っと…
その時は「なんとか」の部分は覚えていた。
すると、「なんとか亭」があった。
あ~これだこれだと、住所としっかりと見て曲がる十字路も覚えた。
さらに次の日、どうしてもその店に入りたく19時半には会社を出た。
きちんと調べた十字路を曲がるとそこにはキラキラと光る電飾に「なんとか亭」と書かれた看板あった!と自転車を店の前に止めて店に入る。
店には先客はおらず俺だけみたいだった。
店主らしき女性が俺をテーブルまで案内する、メニューを見せてもらう。
色々な種類のコーヒーと手作りピザがオススメのようだ。俺は本日のおすすめコーヒーと手作りピザを頼み、携帯をいじりながら料理が来るのを待つ。
するとジリリリリリリリ!!!という目覚まし時計の音のようなものが聞こえた。
それと同時に店の奥、おそらくトイレがある方から他の客が出てきて、テーブルに座る
なんだなんだと思いながら周りを見渡すと、6、7つくらいあるテーブルには客が座っている。さっきまで座って無かったような気がしたのに、おかしいと思って一人の客を見るとその客の顔が黒いのだ。
黒いというのはのっぺらぼうの黒い版というのではなくて、何か穴が空いていてその奥がくらい空間のようなそんな感じ。
恐る恐る他の客の顔を見ると、みんな黒い。
そしてみんな笑っているような気がしたんだ。
コーヒーが他の客に運ばれてきた。コーヒーカップを手に持ち、顔に近づけると湯気が客の黒い顔に吸い込まれていき、顔の前でぐるぐると回り黒い顔がだんだんと普通の顔に戻ってくる。そんな状況を見た。
俺はなんだか怖くなり、店を出ようかと考えたが
注文をして料理も食べないでお金も払わないで出て行くのは失礼だと思った。
いや、こんな状況だがその場になるとそう思ってしまうのは日本人だからなのか…
とにかく料理が来るのを待って、すぐに帰ろうと思った。
しばらくすると、コーヒーとピザが運ばれてきた。
その女店主の顔は普通の笑顔だったが、凄く不気味に見えた。
コーヒーを飲みほして帰ろうと思い、コーヒーカップを口に近づけた瞬間
黒いコーヒーに浮かぶ俺の顔がとんでもなく不気味に俺に笑いかけた、声も聞こえる。
「へへええへえへへえええ!」
という声がコーヒーの黒い俺から聞こえる。
その後、コーヒーに浮かぶ俺の顔がさっきの客のように黒く穴のあいた感じになった。
そして、黒い湯気が俺の顔にまとわりつき、笑い声がさらに大きくなる。
「うへへへへへえええへへへ」
俺はコーヒーカップをテーブルに置き、顔をオシボリで吹くとすぐに席を立った。
すると、他のテーブルにいる客が俺の方を一斉に向いて、
「へっへえへええへへへええ」
と笑っている。黒い顔でだ。
俺は財布の中に入っていた1000円札を2、3枚レジに置き、逃げるように店を出た。
急いで家に帰り、鏡を見ると顎の左下あたりに黒いほくろの塊のようなものが出来ていた。大体直径5cmくらいの丸いアザだ。
次の日も、その次の日も俺はいつものようにその道をまた通って、
十字路にさしかかると左を見るのだがそこにはあの「なんとか亭」は無い。
食べログでもう一度調べてみるが「なんとか」の部分がわからなくて調べられないでいる。もし思いだして、もう一度調べて20時頃にあの十字路の左側に行くときっと「なんとか亭」はあるんだろうなぁと思いながら、毎日あの道を通っていた。
その後、東京に転勤になり自転車通勤ではなく電車通勤となって
黒い丸いアザは病院で見てもらった結果、あまり良くないほくろだということで
レーザーで治療してもらった。
あの「なんとか亭」は実在したんだろうか…それとも俺の頭がおかしかったんだろうかと
今でも、不思議に思っている。
ある夜、布団に入りウトウトしていた時、
「起きてくださいますか」という女性の声が聞こえました。
私は目を開けませんでしたが、横になったままその声を聞きました。
「怖がらないで下さい。決してあなたに害を加える者ではありません。
まず、怖がらないで、声を出さないでください。怖いなら怖いとおっしゃってください。
お気持ちで怖いと思っていただければ私はお声をかけません」
その声の主は若い女性で、高貴な教養ある人という感じでした。
恐怖心よりも先に、
「せっかく寝ているのに起こされてしまったな」
という確認作業が頭の中でされました。
「怖がらないで下さい」という声を、幽霊だとかお化けだとかと認識の前に、
「ああ、夢だな。飲みすぎたかな」と思いました。
「怖がらないでください。そのまま、目を開けていただけますか」と声は続けます。
「目を開ければこの夢は覚めるな」と思いながら目をあけると、
部屋の中に女性と思われる影がありました。
私が起き上がろうとすると、
「そのままで結構です。私がわかりますか」
と優しい声で尋ねられます。恐怖感は全くありません。
「分かりますかとは、どこの誰なのか分かるかという意味なのだろうか」
と私は考えました。
「いえいえ、私がどこの誰かをご存知かと言う意味ではありません。
私がここに居るのがわかりますかという意味ですから、深く考えていただかなくてもよろしいです。怖くなったら、声を出すかお心のなかで消えろと思っていただければ、私はお話できなくなりますから、心配しないで下さい」
と女性は言います。
「まだまだ、変な夢を見ているなあ」という意識が私のものでした。
「私は○○と申します。
すでにお分かりのように、あなたの住んでいる世界のものではございません。
あなたからはあの世と言われる世界の者です。あなたにお願いがございます」
と女性は話し始めました。
その女性は、自分が庄屋といわれる豪農の娘であったこと、
嫁に行ったこと、子供ができずに縁を切られたこと、
その地のしきたりで国境の地に埋められて死んだこと、
そしてそのことに恨みはないことを優しい声で話しました。
私の方はというと、
「何故子供が生まれない身体だと縁を切られて、殺されてしまうのだろう。
可哀想な話だ、実家に戻ればいいのに、そういうしきたりというのもあったのか」
などと思って聞いていました。
「実家に戻ってはいけないというしきたりがあったのです」
と女性は言います。
「日本にそんなしきたりがあった土地があったのだな」
と私は思いました。
「7日間で結構です。私のことを思って祈ってくださいませんか。
ろうそくと水と塩を、××神社に一度奉納し、それを私にいただけたらと思います」
と女性は私に依頼をします。
××神社は私のよく知っている地元の神社でした。
「はい、それだけでいいのなら、承知しました」
と心の中で思った時、女性は消えて行きました。
そして私は女性の言われる通りに、××神社に行き、供物を奉げ、祈りました。
そんなことも忘れかけたある日、
私は友人と会うために××神社で待ち合わせをしていました。
友人を待っている間に、神職の方に声を掛けられました。
神職「ああ、あなたですね。先達てはありがとうございました。○○というお名前をご存知でしょう」
私「ええ、なんか変な夢を見てしまって、この神社にろうそくと水と塩を奉納するように頼まれ、その通りにしました。それだけですが、なぜその名前をご存知なのでしょうか」
神職「○○はここの神社に祀られている神様のお使いの方ですよ。○○という名前は、その方が人間だった時のものです。
私に先達てあなたのお姿を見せて下さり、近いうちにここにくるからお礼を伝えるようことづかっています」
長くなるので神職の方の話をまとめます。
もとよりこの神社は昔、嫁に出て子供が生まれないと実家に帰れないで殺されていたという風習があった時に、殺された嫁を供養する祠を建ててあった場所で、
子供が欲しい人の願いを叶えるということで神社になってきた由来がある。
そういう中の一人が○○である。あなたがこの神社で以前子供が欲しいと願った。
そのときに、あなたの願いを受けたのが○○である
話が通じました。
妻が流産を繰り返し、医師から子供を諦めなさいと言われた時、
私はこの神社で、祈った事を思い出しました。
そしてその後、女の子を授かったのです。
○○が私にお礼ぐらい言いなさいよという意味で出てこられたのかときくと、
神職の方がおっしゃるには、○○は神様のお使いで高貴な方なので、
そうしたことは要求しません。
なぜあなたにお願いしたのかの理由については、○○は教えてくれませんでした。
ただあなたの姿を教えてくれてお礼を伝えてくれ、というだけでしたとのことでした。
なぜ○○が私に頼みごとをしたのか、どういう意味があったのかは全く不明です。
オチも何もなくて済みませんでした。
友人の家に猫の霊が出るらしいので、泊まりに行ったらマジでいた。
縁側の日なたにごろんと大の字で転がる茶色い猫。
「いや、霊っつうかアレ普通に猫だろww」と近寄ると、
猫がこっちに気付いた途端、不思議の国のアリスのチェシャ猫みたいに
尻尾からスーッと消えた。
他にもその日だけで、廊下を歩く後ろ姿と、テレビの上に座る姿を見た。
人がいると気付くと、チェシャ猫消えをする。
友人の家では猫を飼っていた事は無く、家族全員不思議がってるらしいが、
害は無いどころか、猫が居着いてからネズミやゴキブリを一切見なくなった為、
結構重宝してるようだ。
7年前に付き合ってた彼女のお兄さんの話。
彼女と付き合うまで知らなかったんだが、
彼女のお兄さんは中学~高2までK市では有名な暴走族だった。
が、高2の夏から、突然暴走族をやめて品行方正になった。
「なにがあったの?」と彼女に聞いても、
にやにやしながら「兄貴に聞いてみなよ」と教えてくれない。
ある日、彼女の家に遊びに行ったらお兄さんがいたので、思い切って聞いてみた。
「なんでツッパリをやめたかって?うーん、おまえなら教えてもいいか…
俺さ、高2になってから学校には全然行かないで、毎日ゾッキーやってたんだよ。
本気でヤクザになろうと思ってたからさ、鑑別所・少年院上等ってな感じで。
で、夏休みのある日、夜中の3時ぐらいに家に帰ってきたら、居間に誰かいるんだよ。
おふくろかと思ってチラッと見たらよ…死んだオヤジなんだよ」
彼女のお父さんは、彼女が小学校低学年、お兄さんが中学の時に亡くなっている…
「でさ…そん時、俺はトップク(特攻服)着てたんだけどさ、『親父?』と思った瞬間、金縛りにあっちゃったんだよ。声出したくても声出ないし、逃げたくても指一本動かないんだ。親父は居間の食卓に座ってさ、だまーってタバコ吸ってんだよ。
で、ゆっくりとこっち振り向いてさ…たった一言。
『いい加減にしろ』
…それだけ。それだけ言うと、親父はタバコの煙と一緒に消えてった。
俺、金縛りが解けたと同時に尻もちついちゃって、そのまま朝を迎えたんだ。
朝、お袋が起きてきて、『あんた、そんなところで何やってんの?』って言うから、
『今まで心配かけてきてごめん。もう、族やめる』って、その場で宣言したよ。
次の日、仲間のところ行って、『親父の霊に説教されたから、やめる』って言ったら、
他の奴らにすんげー大笑いされたけどな。
でも、マジで怖かったんだ。今思い出しても、鳥肌が立つくらい怖かった」
その話を半信半疑で聞いたのち、彼女の部屋に入ると、彼女がこんな話をしてきた。
「兄貴がお父さんのオバケ見る前に、私、お仏壇で毎日お願いしてたんだよね。
『お兄ちゃんが暴走族をやめますように。真面目になりますように』って。
その頃私、いじめられててさぁ。原因は兄貴。
K市のヤンキーなら誰でも知ってるような、大不良の妹だからって。
もう、悲しくて悲しくて、これも兄貴のせいだ、いや、兄貴を育てたお父さんのせいだって恨んでたの。だから、兄貴の話聞いた時、ざまぁみろって思ったw」
…結局、その2年後くらいに俺は彼女と別れて、彼女は違う男と結婚した。
でも別れたばかりの頃は、彼女の親父さんが現れるんじゃないかと、夜中はすごく怖かったっけなぁ。
んじゃ俺のほんのり怖いというか不思議な話。
数年前の夏、夜中にふらりとコンビニに行った。よくあることだ。
当時の家とコンビニの途中は公園を通ると近道なんで、そこを通った。
夜中にいちゃつくカップルもホームレスすらいない静かで地味な公園なんだが、
見つけてしまった。
遊具の脇の木にぶら下がる首吊り。
パニクって交番までダッシュ。
お巡りさんを連れて再び公園へ。
しかし公園には俺が確かに見たはずの首吊り死体は無くなっていた。
いたのは俺が見たのと同じ場所で、木にロープ引っ掛けて、柵を足がかりにして、
ロープの輪っか掴んで、まさに今から吊ります!というポーズの女。
あれ?さっき確かに首つってたよな?間違いなくぷらーんとしてたよな?
困惑する俺を置いてきぼりにお巡りさんは慌てて女を保護して交番へ連れて行った。
結局女は未遂で、俺は女の首吊り準備中を見間違えたんだろうということに。
でも俺は絶対に首吊り状態の女を見た。
確かに首をロープでぶら下げて、両手両足ぷらーんとしてゆらゆらしてた。
俺はどこかで時空を超えて女を救ってしまったんだろうか。
その後、その時の首吊り未遂女に命の恩人!運命の相手!とストーカーされた話はほんのりどころじゃないので割愛。
死に目を看取った叔父の話。
独身だった叔父は姉の子供のオレを我が子のようにかわいがってくれていた。
オレも叔父が大好きだったし、社会人になってからオレは叔父と同居して、
叔父が亡くなるまで一緒に住んでいた。
叔父には一つだけ変な癖があった。
叔父の変な癖とは、叔父は子供の掌をとても怖がる癖だった。
どのくらい怖がっていたかというと、小さかった頃のオレが手を少しでも上げようとするだけで全速力で走って逃げるほどだ。
オレはそれが面白くて、よく手を叔父に向けたまま叔父を追いかけて遊んでいた。
意地悪く追いかける俺が走り突かれて立ち止まると、叔父は息を切らせながらも、
それでも引きつった笑顔で頭を撫でてかわいがってくれていた。
そんな、優しい叔父だった。
社会人になって数年経った頃、オレは叔父と晩酌をしながらテレビを見ていた。
その日は二人とも珍しく深酒し、やがて話しはオレが子供時代の話になっていた。
叔父はある時の正月の話をし始め、当時よくロードショーでやっていたキョンシーの映画を見た正月に、オレが夜中にトイレに行けなくて泣いていた話しを嬉しそうにしていた。
叔父の背に隠れるようにトイレに行くオレが、叔父はかわいくて仕方なかったと、真っ赤な顔で嬉しそうに話していた。
昔の恥ずかしい話しをされて少し腹が立ったオレは、叔父が子供の掌を怖がっていたことを逆にいじり始めた。
暫くオレは叔父が如何に情けなく怖がっていたのかを意地悪く話していたが、
ふと、叔父の顔が怖いほどに真剣になっていることに気がついた。
初めは叔父が怒ったかと思い、慌てて謝ったりもしてしたが、
その内、叔父がなにか言いにくい事を言おうとしているのだと察して、
オレは叔父が話し始めるのを黙って待った。
それでもなかなか話し始めない叔父にオレが声をかけようとした時、
漸く叔父はぽつぽつと話しを始めた。
叔父の話によると、昔叔父はトラックドライバーの助手をしていた時期があったらしい。
トラックドライバーの助手と言っても、まだ大型免許を取るために教習所に通っていた最中の叔父は、勤めていた会社と契約しているドライバーの運転するトラックに同乗し、解いた先で荷物の上げ下ろしを手伝うのが仕事だった。
荷物の上げ下ろしはともかくとして、目的地に向かう最中の車内では特にやる事もなく、叔父は良く車窓から景色を眺めて過ごしていた。
そんなある日珍しく長距離トラックの助手になった叔父は、話すネタが尽きてドライバーが鼻歌を歌い始めた頃から、高速道路の景色をいつものように眺めていた。
その地方は何日か前に雪が降ったらしく、高速道路の道や路肩には、うっすらとシャーベット状の雪が残っていた。
暫く景色を眺めていた叔父は、ふと、併走していたバンに小さな女の子が乗っているのに気がついた。
ぼんやりとその女の子を眺めていた叔父だったが、女の子の方も叔父に気付いたらしく、初めは恥ずかしそうに、その内徐々に叔父に笑顔を向けた。
叔父も笑顔を返しながら、家族で旅行にでも行っているのだろうと、
ほんわかした気持ちでその女の子を眺め続けていた。
すると、すっかりはしゃぎ始めた女の子は窓ガラスにくっつくように身を寄せると、
その小さな手を叔父に千切れんばかりに振りはじめた。
気をよくした叔父が手を振りかえそうと思った瞬間、
「やりやがったっ!!」
運転していたドライバーが、突然怒声を上げて急ブレーキを踏んだ。
叔父が慌てて前を向くと、そこには雪にタイヤを盗られて高速道路を斜めに滑っている大型トラックの姿が目に入ってきた。
叔父の乗ったトラックも焦って急ブレーキを踏んだせいで徐々に車体が横を向いていき、徐々にフロントガラスに近づいてくるアスファルトを見て、叔父は自分たちのトラックが横転しそうな事を理解した。
慌ててシートベルトを強く握って衝撃に備えた叔父の目に、同じように雪に滑って横向きに滑る女の子の乗った車の様子が飛び込んできた。
女の子は横向きで進む車の窓ガラスに押しつけられ、
かわいらしかった顔を化け物のように歪めてガラスに張り付いていた。
やがて滑る事を堪えられなくなった女の子の車は、今度は車体をアスファルトに叩き付けるように横に回転し始めた。
回転し女の子が押しつけられた側が地面に叩き付けられる度に、そのこの顔酷く潰れ、車内に血が飛び散る様子が、叔父の目にはハイスピードカメラで撮った映像のようにゆっくりと見えていた。
その後、結局叔父の乗ったトラックもそのまま横転し、叔父はその凄まじい衝撃で気を失った。
目覚めると叔父は病院のベットにおり、そのまま暫く入院する事になった。
見舞いに来た上司の話によると、叔父に手を振っていた女の子は、アスファルトに叩き付けられた衝撃で、原型を止めない姿になってなくなったらしいと叔父は聞かされた。
その後叔父は会社を辞め、進んでいた大型トラックの免許の講習も中断して別の会社に就職した。
その時の窓ガラスに押しつけられた女の子の姿が忘れられず、結婚して子供が出来た時、生まれてきた子が女の子だったらと思うだけで強い恐怖感を抱くようになり、結局、生涯独身のままその人生を全うした。
叔父曰わく、それ以来、子供の掌を見るとあの時の光景がフラッシュバックしてしまい、怖くて仕方がないと言っていた。
血にまみれ真っ赤に染まった車の回転する度に砕けていく女の子が張り付いた窓ガラスで、その子の小さな掌だけが白かったんだよ。
そう言うと、氷が溶けて薄まった焼酎を一息に呷って、空いた手でがりがりと爪を立てて頭をかきむしっていた叔父の姿が、今でもオレの脳裏にこびり付いている。
中学生の時、腕を骨折して通院している時期があった。
ある日、病院内でジュースを買おうと、
通院中よく利用していた自販機(一番端の通路の行き止まりにある)に行くと、
二つあった自販機の横の壁に、ドアがあることに気付いた。
今までその場所には結構行っていたが、死角になっていたのか目に付かなかったのか、
そんなものを見つけたのは初めてだった。
ただ、その時はあまり気にしていなかった。
さらにもう少し日が経って、もう退院間近となった日、
またジュースが飲みたくなってその自販機の前に行くと、
例のドアが少しだけ開いていた。
一瞬、えっ?と思ったが、好奇心に負け、
向こう側をちょっと覗いてみようとドアを開けた。
ドアの向こうにはかなり長い廊下が一本続いていて、人は通っていなかった。
突き当りに曲がり角も見えたが、
どういう訳か廊下の電気が全て薄暗く、かなり見づらかった。
しばらく見ていたが特に何も起こらず、なんだつまらない、とドアを閉めようとした時、
突き当たりの曲がり角から人影が曲がってくるのが見えた。
人影はこちらに向かって歩いて来ている様だった。
よく目を凝らしてみると、まだ距離が遠くて表情は分からなかったが、
その人影は片腕だけが異常なほど長く、地面に引きずっていて、
しかも何故か首を左右に振りながら歩いていた。
その不気味さに気付いてぞくっとした瞬間、ゆっくりと歩いていたそいつが、
変な大股?歩きになり早足でこちらに向かって来た…。
パニックになって慌ててドアを閉め、ジュースも買わずに待合室に走った。
その後そこには退院まで近付く事も避けていたので、
結局あれの正体は分からないままだった。
生きていた人間だったとしても、そうじゃなかったとしても、
もうあんな怖いもの二度と見たくない。
たしか小学生の時に2泊3日で林間学校に行ったんですよ。
どこかは少し思い出せません。
普通に山があって川があって、本当に普通の田舎です。
旅館的な宿泊する場所もめっちゃボロかったです。
それでその林間学校のイベントの1つに、
4・5人で班を作って山を1つ越えた所でカレーを作るって奴があったんですよ。
先導してくれる先生とかは居なくて、
設けられたチェックポイントに先生が居てカレーの食材を貰っていくって感じで。
地図を貰って出発するわけなんですけど、
小学生のお頭で地図とか把握し切れるわけがないので、
班4人で気ままに歩いていたら案の定迷子に。
とりあえず道っぽい道を進んで、わけのわからないところにどんどん行く。
それで、この道は違うだろうと薄々感じながら歩いていたら、
「そっちは危ないから行かないほうが良い」と、道から外れた山の斜面の草むらに立ってた誰かに呼び止められました。
覚えてる限りでは、その先の道は暗い感じの道だったような気もします。
多分、当時の自分達と同じぐらいの女の子だったと思います。
服も別に着物とかじゃなくて、半袖でジーンズな小学生的な服装。
でも靴は履いていなくって素足でした。それだけはすごく印象深かったです。
髪は短かかったんですけど、顔は何故か思い出せません。
見てたはずなんですけどね。
「やっぱりこっちじゃないのか」と自分達安心。
誰かに言われない限り、戻るに戻れなかったんでしょうね。
仲間内で視線が集まって「戻るか」と言ってその女の子のほうを見たら、もう居ませんでした。皆不思議がっていましたけど、探そうとはしませんでした。
それで時間も危なくなってきたので、
早足で戻ってるとその途中に道の脇で変なのを発見。
台座っぽい岩の上に平たい石が十個ぐらい重ねてあって、
その前にお握りのお供え物らしきもの置いてました。
微妙に皆で怯えて「あれって幽霊だったんじゃ」って結論に至った瞬間に後ろでガサゴソと物音。途端にみんな猛ダッシュして逃げるようにその場所を後にしました。
そんな感じの体験談です。
今思えば普通に良い幽霊(か何か)だったと思うんですけど、
あの時はすごいビビりました。
この話は忘れていたみたいで、ふと思い出したものです。
なぜ忘れていたのか、印象深かったのに不思議です。
【関連話:お供え物はスニーカー】
あるところに、父母と娘二人の家があった。
姉妹のうち妹の方は後妻の子供で、姉娘は当然の如く母親に苛められていた。
ある日、父親が畑から帰ってきたときだった。
父親は鍬を畑に忘れてきたことに気がついた。
「おや、畑に鍬を忘れた。今からまた戻って取ってこよう」
それを聞いた心優しい姉娘は、
「父さんは疲れたろうから私が取ってくる。父さんは休んでいてください」
と言い、畑に走っていった。
畑に行くと、確かに鍬はあったものの、その鍬の柄に三匹の鳩が止まっていた。
姉娘は「鳩も疲れて眠るところなんだ。ごめんね」と言い、
どこかから止まり木を見つけてくると、一匹ずつ鍬の柄から降ろし、
その止まり木の方に止まらせてやると、鍬をかついで持って帰った。
鳩たちは姉娘の行いに感心し、「驚くほど優しい娘だ。何かお礼をしよう」と呟いた。
果たして姉娘が家に帰ると、後妻の母さんは驚いた。
「お前、その服はどうしたんだい」と訊かれて、姉娘も自分の身体を見て驚いた。
姉娘はいつの間にか立派な振袖を着ていたのだった。
「お前、人様のものを盗んできたのか」と問い詰める後妻の母親の言葉を、
姉娘は必死に否定した。
「盗んでねぇ。私はこれこれこうしてきたんだ」と事の仔細を話すと、
父親は「それはお前の行いに鳩が感心して、礼をしたんだ」と言い、姉娘を褒めた。
後妻の母親は姉娘を恨めしく思って、
父親に「明日も畑に鍬を忘れてきてくれ」と懇願した。
父親が言われたとおり鍬を忘れて帰ると、
継母は妹娘に「ほら、鍬を取ってきなさい」と送り出した。
妹娘が畑に行くと、昨日と同じように、鳩が三匹、鍬の柄に止まっていた。
それを見た妹娘は「畜生の癖に人の鍬に止まって休むなんて!」と怒り、
そこにあった木の棒を振り回して鳩を追い立て、鍬を持って帰った。
三匹の鳩は「なんとも意地悪な娘だ。『畜生の癖に』と言ったところを見ると、よっぽど畜生が好きらしい」と話し合った。
妹娘が帰ってくると、父母は大いに驚いた。
帰ってきた娘の顔は、キツネそのものの顔になっていた。
尻尾まで生えてしまった妹娘は、そのうち本当のキツネになってしまい、
どこかに逃げていってしまったという。
先に言っとくけど怖い話じゃない。
うちの高校は校内の裏手に小川っぽく水が引いてあるんだが、
そのある特定の位置のレンガの上にいつも仏花1本とジョージアが置かれていた。
さてはそこで誰か死んだりしたのかと思いきや、
その花とジョージアを毎週木曜日の朝に置いているのは野球部で、
その費用は野球部のOB会から寄付されており、
そのOBたち自身も事情はよくわからないらしく、
ただ昔からの伝統で置いているようだった。
俺は校内新聞部だったので、みんなで
わが校最大のミステリー「ジョージアの謎」についてOBを当たって調べたんだが、
40代50代の古参OBが知らない一方で1980年代半ばにはもう習慣があったらしい。
ただ、その頃は仏花を添える習慣はなく、木曜日だけではなく毎日で、飲み物はレンガの上ではなく水中に沈めており、品目もジョージアではなくポカリスエットであり、そして1本ではなく野球部の人数分が用意されていたという。
……そう、どうやら最初は「美味しく飲めるように清流で冷やしておく」ってだけだったようなのだ。それが途中、小川が汚くなって来たために人気が無くなって需要が数本だけになり、飲みたい人だけが自前で買ってきて冷やし、いつかのタイミングで勝手に飲むようになった。
結果、縁の薄い一般部員からは「あの缶は誰かに捧げている物」という誤解が加わってしまった。
そして1994年度、おそらく最後まで飲んでいたであろう人物が卒業したことにより缶が設置されなくなったわけだが、それに気付いた新部長が危機感を抱いて部費から缶代を落として設置するようにした。
いつしか、缶の横には仏花が追加され、OB負担や木曜設置といった慣習もできあがり、あのミステリアスな「ジョージアの謎」が完成されたのだった。
ちなみに、発端の94年度部長によれば
「それまでいつも缶コーヒーが置かれていたのでその通りにした」ということで、
「ポカリの謎」ではなく「ジョージアの謎」になった原因は93年度卒業生の嗜好だったようだ。
こうして「献花」という誤解が晴れたこの習慣だが、
その結果途絶えることになってしまったかというとそうではなく、
野球部の長い歴史に対する敬意とユーモア、そして願掛け的な意味が加わり、
花の種類をもう少し楽しげなものに変えてその後も続いている。
私が大学生だった夏休みに経験した話です。
私は大学の3年生の夏休みに、
24時間営業のガソリンスタンドで深夜アルバイトをしていました。
ここの店は客が自分で給油した後、
レシートを持って店内のレジで精算するという形をとっていました。
深夜シフトは2人体制なのですが、
1人はアルバイトで、もう1人はこの店のオーナー夫婦が交代しながらのシフトでした。
このオーナー夫婦の家は店の前の道路を挟んで向かいにあるため、
夜中はほとんど自宅にいました。
なので実質的に、深夜は店にアルバイト1人しかいないことになっていました。
ガソリンスタンドの近くには小高い台地が広がっていて、
深夜になると走り屋の人たちがそこの台地に車で走りにきます。
そのため深夜にこの店に来る客層も、
スポーツカーに乗った男性客が1人で来ることが多かったです。
深夜はあまり人が来ないので、私は店の中のレジで座りながら大学の論文を書いて過ごしていました。
私がアルバイトをはじめて三週間ぐらいが過ぎた時に、一人の男性客がやってきました。
その男性はここの常連で30代ぐらいの細身の人で、青いスポーツカーで来ていました。
私がなんとなく給油している男性を店内の窓ガラス越しに見ていると、
男性はふいに自分の首の後ろの付け根部分を左手でさするように掻いていました。
10秒ぐらいして掻くのをやめましたが、給油が終わり精算を済まそうと男性が店内に入って来たときにも、先ほどと同じように男性は自分の首の後ろを掻いていました。
私は男性が蚊にでも刺されたのかなと思い、あまり気にとめていませんでした。
次の日もアルバイトをしていて、今度は金髪の20代ぐらいの若い男性が来ていました。
この男性も深夜にこの店に来る常連で、
改造した白いスポーツカーに乗り、いかにも走り屋という風貌でした。
男性の給油している姿を見ていると、その人も昨日の男性のようにときどき首の後ろを掻いていました。
そのとき私は妙な感覚に襲われました。
言葉で説明するのは難しいのですが、変な違和感を感じたのです。
その事が気になり、客が来るたびに客のしぐさを細かに観察するようになりました。
すると自分の首の後ろを掻くような動作をする人は、走り屋の男性客に限られている事がわかったのです。
ただ、わかったところで何かあるわけではなく、そのまま日々は過ぎていきました。
そして夏休みが終わるまで後1週間となった深夜に、恐ろしい体験をすることになりました。
この日の深夜も、常連の30代の男性が青いスポーツカーに乗って店に来ていました。
私は論文も書き終わり他にすることが無く、暇を持て余していたので、
普段全く見ない店の防犯カメラのモニターをぼんやりと眺めていました。
カメラは各給油機に一台ずつ設置されていて、客が給油機に付いている操作画面に向くと、顔の正面を斜め上から映す形で設置されています。
私は男性の写るモニターの映像を見ていたのですが、
その時何か違和感を感じたのです。
モニターには男性の正面がみえました。その右肩の後ろに、
サッカーボール位の大きさの黒く丸い塊のようなものが映っていました。
よく見るとそれは髪の長い女の顔でした。
女の表情は目が虚ろ、口はだらしなく半開き状態で、
全く生気を感じないように映っていました。
そして女の顔は常に男性の肩の後ろにべったりと付いていて離れません。
男性にはそれが見えていないのか存在に気づいていないのか、
淡々と給油機の画面を操作しているようでした。
しばらく様子を見ていると、ふいに女は男性の首の後ろに顔を近づけ、
口をすぼめて息を吹きかけるような仕草をしたのです。
すると男性は、自分の首の後ろを右手で掻きはじめました。
それを見た女は口を大きく開き、顎を小刻みに震わせ、
ケタケタと不気味に笑い出しました。
以前、私が感じていたあの違和感の正体が判明したのです。
それと同時に自分の中に恐怖がわきあがってきました。
私はしばらくの間、モニターに釘付けになり身動きかとれませんでした。
店の入り口の自動ドアが開き、客が来たことを知らせるチャイムが鳴った音を聞いて私は我にかえりました。
顔を上げると、先ほどの男性が給油の精算をしにこちらに歩いてきたのです。
男性の肩に目を向けたのですが、先ほどのモニターに映っていた女の顔はありません。
あれは自分の見間違いではないか、と考えながらレジを打っていました。
しかし私がお釣りをレジから出そうとした時、
おもむろに男性が自分の首の後ろを掻きはじめたのです。
『いる!いる!目には見えないが、男性の肩に女は確実にいる!そして今も無邪気にケタケタと笑っているのだ』
と、私は自分の心の中で叫びました。
体中が震え、油汗が額に滲んできました。
そんな私を男性が怪訝そうに見ていましたが、何とか済ますことができました。
男性が店を出てからはあの女の不気味な笑顔が頭から離れず、
気持ちが落ち着きませんでした。
レジの椅子に座り、震えながら朝が来るのを待っている事しかできなかったのです。
防犯カメラのモニターを見ることもありませんでした。
幸いにも交代の時間まで客が来なかったので、
何事も起こらず朝を迎えることができました。
その後私は残っていたアルバイトをすべて病気を理由に休みました。
以上が私が大学生だった時に遭った恐怖体験でした。
北海道で猟師をしている人の話
ある山にビバークしてクマを追っていた日のこと。
突然、傍らで寝ていた相棒の猟犬が立ち上がり唸りだした。
「どうした?」と声をかけても、普段ヒグマにさえ怯えない相棒の猟犬が、
全身の毛を逆立て、テントの一点を見つめて唸っている。
これはもしやヒグマの夜襲かと思い、ライフルを構えながらテントを開けると、
猟犬はものすごい勢いで飛び出していった。
見ると、猟犬はキャンプ地としたスペースの、山側の角に向かって掛けて行き、
何もない虚空に向かってしきりに唸っている。
そしてしばらく吠えつくと、途端にしっぽを丸めて怯えるような声を出して後退し、
また掛けていっては虚空に吠えるということを繰り返した。
最初こそヒグマの襲撃かと思っていたその猟師は慄然とした。
普段ヒグマにすら物怖じしない愛犬が、怯えているということが彼の自信を砕いた。
そのとき、彼はかねがね聞いていた「山の魔物」という言葉を思い出した。
人には決して見えないが、知らずのうちに近寄ってきて、気が付かないうちに人や猟犬の命を奪い去っていく魔物が山には時たま現れるのだと、先輩猟師から、友人知人から聞いていたのだ。
それらは影も形も見えないが、山中で出会うと即座に凶兆をもたらすというので、今までも警戒していた。
すぐさま彼は猟犬の首縄を掴んでテントに引き戻し、今しがた猟犬が睨んで吠えていた。一点に銃口を向けながら、「来ないでくれ」と念じつつ一夜を明かした。
愛犬はその間も唸り吼えたが、明け方には落ち着いた。
翌日、世が白み始めてから愛犬が吼えた地点に登ってみたが、
生物の痕跡は愚か何の変化も認められなかった。
しかし後日、その話を先輩猟師にすると「おお、あれに出会ったか」と妙に嬉しそうな声で言われた。
今やマタギといえど、彼が出会った不可解な御霊に会えるものは少ないという。
何処に書き込んでも誰に話しても信じてくれん話。
4歳から6歳くらいまで祖父母(日本人)とドイツのブランケネーゼって町に住んでたんだ。
町の人気の少ない路地を通って行った所に一軒の小じんまりした家があって、家よりも庭の方が広くていつも綺麗な花とか果物とかが咲いてて鶏と兎が数匹放しがいにされてる。
その家の住人のエルフ一家と仲良くしてたっていう、そういう話。
エルフって言っても耳が長くて尖ってるだけでそれ以外は普通の人達だった。
細っこいお婆ちゃんと当時の俺と同じくらいの年の男の子、
高校くらいの眼鏡かけたブスの姉ちゃん。
むしろお姉ちゃんより男の子の方が女みたいでめさくそ可愛かった。
全員容姿も似てないけど皆耳が尖ってるから家族なんだろうなと思ってた。
交流の切欠は俺が勝手に庭に入って生えてたブルーベリーを口も手も青くなるまでカッ食ってたのを目撃されたから。最初男の子に目撃されて「ぶっ殺すぞ」とか言われたけど、(そいつは殺すとか死ねが口癖だった)お婆ちゃんとお姉さんはいくらでもあるからって許してくれて、しかも家に上げてもらってたんまり喰わせてもらったよ。
それから「あの家に行ったらおやつが食べれる」と思ってほぼ毎日の様に遊びに行ってたな。目論見通りお婆ちゃんがいつもケーキを用意してくれて、さくらんぼのチョコケーキとかパイケーキとか作ってくれてどれも滅茶糞美味かったんだが特にチーズケーキは絶品だった。鮮明には覚えてないがチーズの中にホワイトチョコや生クリームみたいな味がしてて口の中で蕩ける感じ。
他にも残り物らしいミートローフとかソーセージとかも図々しく食ってたなw
わざわざ自家製っぽいフルーツジュースとかも準備してくれてとにかく至れり尽くせりだった。男の子には「食い物目当てで来てるんだろ死ね」みたいな事言われたけど何だかんだで一緒に遊んだりしてた。
ただ、何故か3人共家の敷地外には全く出ようとしなかった。
一度男の子に出ようよって言ったら「こっから出たら死ぬ」って言われてそれ以上は聞かんかったが。
それから俺が小学校二年生くらいの頃に戻って来て、それから数年してネットでエルフを知って「俺が昔会った奴らはこいつらだ!」とピンと来たってわけなんだが、
問題はそこからで、その話を家族なんかにしても全く信じてくれんのよ。
と言うのも俺はドイツの祖父母の家に長期滞在させた事なんか無いって言われて。
俺を祖父母のドイツの家に連れて行ったのは3歳くらいの頃の2回だけらしい
でもじゃあ俺のハッキリしてる記憶は何?何で俺今もドイツ語そこそこ解るの??
じーちゃん達の家はブランケネーゼで間違いないよ?
小学校低学年の記憶あんまり無いよ?
あるのはあの頃の思い出だけだよ?
いつかまた行きたいんだけどなかなか機会なくて行けないんだよな…
47 :本当にあった怖い名無し:2011/09/03(土) 18:51:18.65 ID:atcB9vMFO
この前、たまたま聞いたネットラジオで、深夜に怖い話をやってた。
予め募集しておいたリスナーに、
直接電話をして2分程度の怖い話をしてもらうという形式。
当然素人だから、あんまり怖くない話もあるのだが、そこが逆にリアルで面白かった。
その中で一番ゾッとした話。
48 :本当にあった怖い名無し:2011/09/03(土) 18:52:49.94 ID:atcB9vMFO
内容は、霊感のある人に自分の部屋を見せた時に、この部屋は5、6体はいるよと言われて…というありきたりなもの。
それを男が笑いながら冗談っぽく話してて、こっちも、それ多すぎwヤバいだろwていう感じで聞いてたんだけど。
『今までは、気配を感じるぐらいだったから放置してたんですけど、それがついさっき反乱起こしたんですよ。なんか物音がバンバンして、棚が倒れてきたり…』
この辺から男の様子が変だってことに気付いた。
よく聞いてみると、声を震わせて笑いながら喋ってると思ったら、ずっと泣いてたんだよ、そいつ。
『今も周りからすごい視線を感じて…めちゃくちゃ怖いんです…助けてください、どうしたらいいんすか…』
とか言い出して、完全に号泣状態。
生放送でこれを聞いてた時は、本当に怖かった。色んな意味で怖かった…
49 :本当にあった怖い名無し:2011/09/03(土) 19:57:03.61 ID:685kqdGyO
>>48
その後どう終わったの?
50 :本当にあった怖い名無し:2011/09/03(土) 20:10:58.87 ID:atcB9vMFO
>>49
しばらくすると男も落ち着いて、
『すみませんでした、もう大丈夫です…』て言って電話切ったよ。
完全に放送主が怖がってて、しばらく異様な雰囲気になってたわw
従兄弟が自殺したんだ。
難病というよりは、奇病を苦にしたものだと思う。
詳しくは書けないけど、結構レアな病気らしくて、普通に生活出来るけど完治不可。
ビジュアル的に、人と、特に異性とは接触し辛くなるって感じの病。
鬱気味で、酒に溺れて、伯母一家に散々な迷惑をかけて自殺したんだ。
ウチの故郷には、
『通夜の場に、亡くなった当人が蜘蛛に身を代えて出てくる』という言い伝えがある。
地元の人間なら、誰でも知っている言い伝え。
通夜の晩、坊さんの読経が終わり、ちょっとした挨拶が始まった時、
大きいアシダカ姐さん(アシダカグモ)が出たんだわ。
かなり大きかったんでビックリしたけど、
従兄弟が最後の挨拶に来たのかなと、しんみりした。
次の瞬間、伯母がスッと動くと素手で蜘蛛を捕獲、そのまま握り潰した。
あの時の、無表情、絶対に忘れない。
お知らせ
最新記事
怖い話ランダムピックアップ
カテゴリ
タグ一覧
今週の人気記事ランキング
最新コメント
スポンサードリンク
サイト内検索
サイト内記事(ランダム)
Special Thanks
おすすめリンク集
逆アクセスランキング
月別アーカイブ
スポンサードリンク