【祟られ屋シリーズ第2話】 邪教 : てら…こわす。~怖い話まとめちゃんねる~
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【祟られ屋シリーズ第2話】 邪教

前回の話を読む

ある日、俺は在日朝鮮人の友人Pに呼ばれて郷里に戻った。
Pはガキの時分からの悪友で、一緒に悪さをして回った仲だ。
地元では一番仲の良い友人だったが、Pとはある事件以来距離を置いていた。
P絡みで俺は酷い「祟り」に遭い、
韓国人の「祟られ屋」の元に半年も身を置く羽目になったからだ。
そして、その時から俺の人生は狂ったのだ。

表向きの用件は前年に胃癌で亡くなったPの親父さんの法事のような儀式だった。
Pの親父さんは俺のオヤジの友人でもあり、俺はオヤジの名代として顔を出した。
儀式の詳細はわからないが、テーブル一杯にたくさんの料理が並べられており、
家督を受け継いだ儀式の主催者であるPが、
その料理を一箸づつ先祖に捧げるといったものらしい。
夜、方々から客が集まり、その料理を肴に酒宴が開かれた。


「祟られ屋」の元に行って以来、俺もPも酒も煙草も飲まなくなっていたので
宴会の時間は長く感じられた。
そろそろ日付も変わるかと言う時間になって宴会はお開きになった。
客が帰ると広いPの家はしんと静まり返った。

両親が亡くなりマンションを引き払ったPはこの家に一人暮らしだ。
片付けは明日で良いと言ってお手伝いさんも帰してしまっていた。
俺とPは無言のままリビングのソファーに向かい合って座っていた。


日付が変わり、1時を過ぎた頃か?
表で車が止まる音がした後、インターホンが鳴った。
Pは玄関に出ると来客を招き入れた。
Pがリビングに連れて来たのは白髪頭の男と30歳前くらいの女だった。
男とは面識があった。
俺とPが祟られ屋の元に行った時の世話役だったキムさんだ。
俺は腹を括った。

祟り騒ぎの時に職を失った俺は、キムさんや祟られ屋の「マサさん」に繋ぎを
付けてくれたシンさんの紹介の仕事で食っていた。
Pに呼び出されたのもシンさんの仕事絡みだったのだ。
仕事の内容は、要するに女のボディーガードだった。
しかし、話はそう簡単ではないだろう。
単なるボディーガードなら、一部で非常に有名な「アカ空手」の猛者がキムさんの
ところに何人もいるからだ。
「祟られ屋」マサさんの所で修行した俺やPが必要な話しなのだろう。


女は帰化した元在日3世だった。
日本人の夫と5年前に結婚し、
将来子供が生まれたときのこと等を考えて帰化したのだと言う。
それならば、マサさんやキムさんの出番はないはずだ。
女は「イニシエーション」が済んでおり、日本の神々の加護が受けられるので、
トラブルが何であれ、普通の僧や神官、拝み屋で事は足りるはずなのだ。

以前に書いたように、朝鮮民族は日本の神々の加護を受ける事は出来ない。
それは朝鮮人の「血」の宿命であり、日本で生まれた在日でも変わりはない。
しかし、「イニシエーション」を通過した朝鮮人は日本人として
日本の神々の加護を受ける事が出来る。
男の場合は日本と言う国の為に血を流すこと、
女なら日本人の妻となり子を産むこと。
今の日本ならば、日本国に帰化して日本の「公益」の為に働く事。
日本人としての意識を持ち、その意思を示す行動が必要なのだ。
そして、関門を越えた者の子孫は日本人として、
生来的に日本の神々の加護を受けられるのだ。


女の異変は父親の死去から始まった。
彼女の父はある宗教団体でかなり高い地位に在ったらしい。
地元の信者をまとめる大物だったようだ。
優秀だった兄は上京して某国立大学を出て、朝鮮籍のまま某大企業に入った。
その企業グループの上層部には教団信者が多数入り込んでいるのだ。
女の嫁ぎ先も彼女の父親が仕切る教区?に属する資産家一家だった。
彼女の父親が生きている間は全て旨く行っていたようだ。

しかし、父親の死後暫くして彼女の母親が倒れ、兄の人格が激変した。
横領により解雇された兄が実家の資産を浪費し、多額の負債を負うまでに没落した。
その兄は詐欺事件と傷害事件を起こし長期収監中なのだという。
さらに、嫁ぎ先も不幸が続き、彼女は第1子を流産。
夫は愛人を作って蒸発したのだと言う。
彼女の父親の死を基点に両家は僅か数年で没落してしまったのだ。


仕事の内容は簡単だった。
キムさん達が仕事をしている間、妨害を排除し、
彼女と彼女の母親をガードすることだった。
期間は1週間。ギャラは通常の3倍だった。

キムさんは同様の事案を何件も処理した経験があったようだ。
キムさんと彼女がどうコンタクトしたのかは不明だが、
キムさんは過去の経験と自分の見立てを彼女と彼女の母親に話した。
キムさんの指摘に思い当たる節があったのだろう、
彼女の実家と嫁ぎ先両家は教団を脱会した。
彼女の実家の家屋敷は教団の「教会」として教団名義になっていた。
彼女が生まれる前に教団に「布施」として寄進され、
教会長として彼女の一家が住み続けてきたのだと言う。
脱会した今、教団は彼女の一家を追い出しに来る。
彼女の父親もそうやって信者の家屋敷を収奪してきたのだ。
しかし、今回の目的は違う。
キムさんの「仕事」を妨害してある物を奪い取りに来るというのだ。


約束の日、俺はキムさんに伴われて彼女の実家に向かった。
近くの路上には離れた位置に短髪の男達が乗った車が2台停まっていた。
キムさんの会社の社員だろう。
門をくぐって屋敷に入った。
3~400坪はあるか?
門をくぐった時から嫌な感じがした。
確かに尋常ではない、何かがあるようだ。
キムさんと共に俺は仏間に入った。
其処には大きな仏壇があった。
初めて見るタイプの仏壇だった。
俺に宗教の知識は乏しいが、その宗派の「本尊」は仏像の類ではなく、
所定の地位に在る僧の書いた書付なのだ。
仏壇の中には書付の入った箱?が入っている。

仏間には猛烈に嫌な空気が流れていた。
仏壇を見ていると全身から生気を抜き取られているかのような脱力感に襲われた。
しかし、それ以上に嫌なのは、仏壇の対面にある船箪笥の上に置いてある
黒い小箱だった。
何か嫌な気がその小箱から仏壇へと流れている感じがした。
かなりヤバイ物なのは俺でも判った。
箱の中には何があるのか。
俺は箱の蓋を開けたくなった。
箱に手を伸ばそうとした瞬間、不意に横から声を掛けられた。

「おい、その箱に触るなよ。どんなものか判るだろ?」

声の主はマサさんだった。
俺はハッとして手を引っ込めた。
箱に魅入られてしまったらしい。危なかった。

「久しぶりだな」

「ご無沙汰してます」

「大分鍛えたようだな」

「おかげさまで」

「うむ、それじゃあ仕事の説明をしようか」


マサさんの話によると、あの仏壇には元はかなりランクの高い
「本尊」が入っていたらしい。
問題の教団が出来るよりもかなり前の時代からあった霊格の高い本尊だったようだ。
それが依頼者の父親の葬式の時に偽物と摩り替えられたらしいのだ。
教団は本尊を作る権限のない者によって作られた「偽本尊」を信者に広くばら撒いているのだが、この偽本尊はある細工をすることによって「親」となる本尊へと運気や功徳を吸い上げるようになっているのだと言う。
信徒の本尊には教団の母体の宗派で作られた真正な本尊もあったのだが、教団の幹部はある時は騙して、ある時は盗み出して本尊を偽本尊に置き換えていった。
末端信徒の偽本尊は言わば「ストロー」であり、細工された親本尊は吸い上げた運気や功徳を溜め込む「甕」なのだという。


これは朝鮮半島に伝わる呪法の一つで、両班と呼ばれる支配階級が支配地域の
平民や白丁と呼ばれる賎民から運気や精力を奪うものなのだと言う。
用いられる呪物は何でも良い。
神具・仏具、壷や宝石、書物・刀剣・衣服、何でも良いのだが、呪法を掛けられた者
が呪物を大切に扱うことが条件となる。

この呪法の輪に取り込まれた者は、呪法の頂点にある者に運気・精気・功徳を
吸い上げられ、上位にある者を決して越える事が出来なくなるのだ。
朝鮮の支配階級が下克上を防ぐ為に編み出した強力な支配呪法なのだという。
この呪法は李朝滅亡と共に一部流出した。

韓国で、ある古い文書(漢文)を調べると知る事が出来るらしい。
呪法自体は非常に簡単なものらしいのだが、効果が絶大なだけに反作用も非常に
強力で、両班でも実際に呪法を用いた者は少なかったらしい。
簡単に運気や功徳を集められる反面、厳しく持戒しないと欲望の歯止めが
利かなくなり悲惨な破滅を招くのだ。


欲望は呪者の精神レベルによって異なるが、レベルが下がるにつれて支配欲・
金銭欲・食欲・色欲と欲望のレベルが下がり、際限なく強くなり歯止めがなくなる。
欲望を抑える自制心の無い者は、より下劣な欲望に飲み込まれて破滅してしまう、
非常に危険な「禁呪」なのである。

韓国人の宗教家の多くはこの呪法を知っていると言う。
大多数の者は忌避しているが、積極的に利用している教祖、既存の教団に
潜り込んで使っている宗教家は少なくないのだと言う。
宗教家以外でも教育家、実業家、政治家などにも応用している人物は多く、
多くの者が壮絶に自爆する末路を辿るのだと言う。

韓国人であるマサさん曰く「朝鮮人を組織に入り込ませること、組織において高い地位に置くことは大きな破滅を招く」そうだ。
今回問題となった教団もまた朝鮮人の侵食を受け禁呪に汚染されてしまった組織だったのだ。


俺はふと疑問を感じ、マサさんに質問した。
「運気や功徳とやらを多くの人間から吸い上げていると言っても無限ではないでしょう?吸い上げ尽くして、消費し尽くしたらどうなるんですか?」
マサさんは暗い顔で「回復不能の大破滅しかないだろうな。だからこの呪法は禁呪として、自制心のある知識階級の両班の秘法とされて来たんだ。だけど、欲望の赴くまま際限なく拡大している馬鹿が何人居る?思い当たる人間が何人もいるだろう?言いたくはないが、朝鮮人は人類の癌細胞だよ。もうどうしようもないね・・・」

先祖代々、呪詛の掃き溜め扱いされてきたマサさんが祖国である韓国や、
同胞である朝鮮人に良い感情を持っていないことは半年間生活を共にして知っているつもりだったが、強い言葉の調子にマサさんが同胞に抱いている絶望感の深さが覗われた。
俺はそれ以上言葉を発する事は出来なかった。


「本尊の方は私が処理するよ。仕事自体はそう難しいものではないからね」

とキムさんが言った。

「まあ、日本人の拝み屋さんの方が上手だと思うけど、同胞の不始末だからね。
日本人や日本に親しみを持っている韓国人は少なくないし、在日の殆どの人は
日本人と仲良く暮らしたいと思っているんだよ。
君とP君は子供の頃から大の仲良しだったろ?
日本人に迷惑をかけている同胞を見て心を痛めている人は多いんだよ。
それは判ってね」

日本人でありながら在日社会のトラブルに首を突っ込んで飯を食っている俺に
返す言葉はなかった。

「儀式が始まったら正気でいられるのは我々3人だけだと思うから。屋敷に入ってきた奴は手加減せずに叩きのめしてね」

「問題は俺の方だな」とマサさんが口を開いた。
おもむろに黒い箱の蓋を開いた。
中には泥団子のようなものが入っていた。

「思い当たる事はないか?」

・・・泥団子?・・・あっ!
思い当たる事があった。
マサさんの所で聞いた、財運など世俗的な欲望を叶えるかなりヤバイ外法の話を
思い出したのだ。
仏像や経本(聖書など)を焼いた灰を糞尿と畜生の血に混ぜて、
土と練り合わせたものを1万人の人間に踏み付けさせて作った粘土で
仏像を作って礼拝する呪法があるのだ。

一旦礼拝を始めるとあらゆる幸運が訪れるけれども、
礼拝を1日でも欠かすと一家を滅亡させるという禁呪だ。
話だけなら他でも何度か聞いたり読んだりしたことのあるものだ。
俺がこの屋敷の仏間に入った時に感じた箱から仏壇へと流れる嫌な気の流れは、
泥の呪法が集めた「運気」を仏壇の偽本尊が吸い取る流れだったのだ。

「かなりエゲツないやり口ですね」と俺が言うと、

「俺らしい仕事だろ?使われた灰は・・・
盗み出してすり替えた古い信徒の家の本尊だな」
とマサさんは言った。

「儀式は?」

「本尊と禁仏の力が共に最低なるのは明後日の晩だ。
次の一致日は半年以上先だ。チャンスは一度きりだ。キッチリ押さえてくれ」



そして儀式の晩。
俺は女と女の母親のいる寝室の前で安全靴を履き、
手にはサップグローブと呼ばれる200g程の鉄粉の入った皮手袋を嵌めて
警戒に当っていた。
夜明けまで侵入者を排除して儀式を行えば仕事は無事終わる。
午前零時に始まった儀式は3時を過ぎて半分が終わった。

安心しかけていた3時30分ごろ、屋敷の外から人の争う怒声が聞こえた。
屋敷に侵入しようとした男が邸外で待機していた空手屋たちに捕まったらしい。
近所の住民が通報したのだろうか?
回転灯の赤い光が外から僅かに入って来ていた。

仏間の儀式は佳境に入ったようだ。
外の騒ぎも収まったようなので女と母親が寝ている寝室をのぞいてみた。
襖を空けた瞬間、俺は異様な気配を感じた。
寝たきりのはずの母親が介護ベッド上で上半身を起こしカッと見開いた目で
こちらを睨み付けている。
ベッドの横の布団の上では女が体をクネクネとくねらせていた。
女の寝巻きがはだけて形の良い胸が棗球の明かりに照らしだされた。
下穿きの股間には大きな染みが出来ていた。
かなり長い時間、自慰に耽っていたようだ。


荒事にはかなり慣れているが、憑物のついた人間を見るのはその時が初めてだった。
かなり異様な雰囲気だった。
上着を脱いで女が抱きついてきた。
唇の端からよだれを垂らした口でキスしようとしてくる。
女はかなり可愛い顔立ちをしていたので普段なら喜んで相手をするところだが、
今はそんな事をしている場合ではないし不気味な歪み方をした女の表情に
欲情できるものではなかった。

しかし、俺の体は理性とは裏腹に激しく勃起していた。
しかも、醒めた理性とは別の所で激しい性欲が起こっていた。
憑物から身を守る方法を知っていたから、
俺は激しい性欲が自分の物ではないことに気付く事が出来た。
しかし、普通の男なら、例えば外にいる空手屋だったらたちまち性欲に飲み込まれて、
布団の上で女とSEXを始めていたことだろう。
少なくとも、以前の俺なら大喜びで女の体を貪ったはずだ。
女は何度引き離しても抱きついてきた。
俺は柱時計を見た。
時間は4時40分を過ぎたところだったか?
俺は女を押し倒し袈裟固めで押さえつけた。
・・・6時少し前、儀式は終わった。


いつの間にか、女は動かなくなり微かに寝息を立てていた。
母親もベッドに横になっていた。
外から朝日が入ってきていた。
襖の外には汗をびっしょりとかいたマサさんとキムさんが立っていた。

マサさんが「おっ?女とヤラなかったんだな。偉いぞw」

「女癖の悪い男だと聞いていたけれど、なかなかどうして、がんばったねえw」
とキムさん。

「ふん。合格だな」

どうやら、今回の仕事は俺のテストを兼ねていたらしい。
この時を境に、俺は借金の取立てや、飲み屋のホステスや風俗嬢のガードではなく、
キムさんやマサさんのアシスタント的な仕事をするようになった。
結局、俺の運命はマサさんのところで修行をしたことで決定的に変ってしまっていたのだ。


終わり


次回の話を読む

【引用元:死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?180

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