【百物語 第五十二話】急患 : てら…こわす。~怖い話まとめちゃんねる~
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【百物語 第五十二話】急患


小学校4年の時だったかな。
雨の降る中、猛スピードで友達のマンションへとチャリンコを漕いでいた。
「早くスマブラ(大乱闘スマッシュブラザーズ)やりたい!」
焦る気持ちが俺を駆り立てた。
チャリをマンションの裏手に止めると、全速力でエレベーター前のドアの前まで走る。
とその時、
「やべ!雨で滑ってブレーキ効かねっ!」
思うや否や

バリーン!!!

ドアのガラスを身体で突き破る。
気分はもうトム・クルーズ。
よし、割っちまったがこの件に我々は一切感知致しません…と逃げたい気持ちだったが、ミッションも虚しくインポッシブルし、マンションの管理人がすっ飛んでやってきた。

トム・クルーズでもスタントマンでもないので身体のあちこちから激しく出血してる。

「あーあ、これは帰ったら飯抜きどころかはっ倒されるな」と頭の中では出血よりその後の説教の心配でいっぱいである。
その間に管理人には救急車を呼ばれ(大人になった今でもあの程度の傷で救急車呼ぶなんて大袈裟な…と思っているほど大した傷じゃなかったんだけどね)、間もなくして救急車到着。かくして人生初の救急車乗車である。

救急車は進行方向にいる車を次々に端に寄せて走って行く。救急車の優越感は感じつつもやはり説教が頭から離れない。

病院に着くと救急車専用の裏口から運び込まれた。
手術室みたいな所に寝かされ、身体に付着したガラスの破片を取り除き、傷の縫合にうつる。

しかし、あろうことか医者は来るなり「あー、2、3針縫うくらいなら麻酔要らないね」と答えも聞かず針で縫い始めた。
確かにもう既にガラスで切っているので、そこを更に針でぶっ刺されてももはや大した痛みではないんだけど。

「マジかよ」と気分はすっかりブルーになったころ、俺が運ばれてきた救急車専用の入り口のドアが開いた。
「急患かな?仲間かな?」と頭をそっちに向けると、女の人が歩いて入ってきた。
その人は鶏の様に頭を前後に降りながら歩き、さらに顔から肘まで炎症でかパンパンに膨れ上がっており、更に固まった血のような真っ黒な色をしていた。

「すげぇな、おい。本物の急患だな。俺が呑気にここに居るのが恥ずかしくなるわ」
なんて思いながらも女の人の傍には誰も看護師がついていなかったので
「あの…あの人入ってきたみたいだけど、誰か面倒見なくて良いの?」
と縫ってる医者に聞くと、ギョッとして、一瞬で青ざめた顔になり、震える声で
「気にしなくて良いから」と言われた。

もう一度顔を向けると女の人は消えていた。

俺が初めて幽霊らしきものを見た時の話でした。



流行りのゴーストライターさん、投稿ありがとうございました

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この記事へのコメント

  1. 名前はまだない 2014年07月13日 09:58:49

    ええ加減にせい!
  2. 怖い名無しさん 2014年07月13日 11:26:57

    怖かった
  3. 怖い名無しさん 2014年07月13日 14:46:08

    おおっと
    結構怖いな
  4. 暴れ八着 2014年07月13日 15:05:31

    >>その人は鶏の様に頭を前後に降りながら歩き
    想像したら笑い出しそうになったわww
    これで「コッコッコッコッ・・・」とか言いながらだったら余計凄いな。
    それと 「降りながら」じゃなくって「振りながら」な!
  5. 怖い名無しさん 2014年07月14日 22:14:16

    面白いな
  6. 楽しみにしてる男 2014年07月15日 05:03:55

    その人は首の骨が折れてるのね。

    たぶん首吊り?事故か。
  7. 隙間風 2014年07月15日 10:15:59

    地縛系の方ですかねぇ?

    医師が青ざめたということは結構頻繁にふらついているみたいですね
  8. 流行りのゴーストライター 2014年07月16日 01:47:10

    皆さんコメントありがとうございますm(_ _)m
    印象に残ってるのはとにかく腫れ上がった顔から肘ですね。
    確かに鶏のような歩き方だったんですが
    それよりもあの赤黒さと腫れ。
    もはや幽霊云々ってより、例え生きてる人だったとしても衝撃を受ける痛々しさでした。
    片方の手で腫れてる肩を押さえながら、無言で頭を揺らしながら入ってきた時は、この人よく歩けるなと思ったのを覚えてます(笑)

    あの医者が何故患者を見もせずに「気にしないでいい」と言ったのかは分かりませんが
    梨汁ぶしゃー!でお馴染みのキャラクターと深い関係のある市の病院での話です(笑)

    あっ、漢字の指摘ありがとうです。
    以後、書き込む時は気を付けますね_(^^;)ゞ
  9. 暴れ八着 2014年07月18日 19:53:51

    又面白いの書いたら頼みますよ~
    楽しみにしています。
  10. 怖い名無しさん 2014年07月22日 18:09:20

    面白いです
  11. 俺の名前を言ってみろ 2014年09月04日 00:02:12

    フフ、、
    素敵な話ですね、なんと言うか小学生の頃の田舎の夏休みを連想してしまいます。
    いい思い出になりましたね。
  12. 怖い名無しさん 2014年09月06日 15:59:32

    ペロリンガ星人・・・
  13. 名無しさん 2014年10月12日 13:44:52

    今からでも取材してきて。
    なんだろ、医者の青ざめが怖いね。
  14. 怖い名無しさん 2015年03月13日 15:57:29

    感知>>関知
    >救急車は進行方向にいる車を次々に端に寄せて走って行く。
     見えたんかい。そんなわけねぇだろ。
    >俺が運ばれてきた救急車専用の入り口のドアが開いた。
     そんな場所で治療(縫合)とかするか。
     手術室みたいな所から出入り口が見えるわけねぇだろ。
    一応つっこんでみました。
  15. 怖い名無しさん 2015年03月13日 16:18:38

    どういう構造してたら自転車からドアのガラスに突っ込めるんだ?
    どう考えてもドアに向かって、正面から走ってきたことになるよな。
    ※14と合わせるとかなり無理のある話になってるな。
  16. 怖い名無しさん 2015年08月15日 00:05:03

    「ミッションも虚しくインポッシブルし」そっちに吹いて怖くねぇw


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