【百物語 第七十四話】雨の日
雨の日って憂鬱になるよね。
皆は雨の日ってどうやって過ごすかなぁ?お仕事がお休みだったりしたら…。
読書したり、ティータイムをゆっくりしたり、趣味をしたり、映画を見たり、ぼーっと外を眺めてみたり、あえて出かけてみたり?
私?私はね、雨の日にやることは絶対に決まっているの。
お家のお掃除をすることなんだ。
何年か前からの私の雨の日の過ごし方。
ふふふ。
雨の日のお掃除はオススメだよ。埃がたたないからね。
あ、ごめん関係ない話しちゃった。
えーとね、そう!
雨の日のお話をするね。
かなり前に一人で、少し地方の村へ行った時のこと。
友達から時間があったら是非にと言われて行ったんだよ。
とても綺麗な景色だから写真とったらいいよ、と。
その村は大きな川が近くにあって、とってものどかで綺麗なの!
観光地ではないから静かな所なんだけど、お祭りの時なんかとっても人で賑わうらしいし、伝統の花飾りを投げる儀式とかもしている歴史ある所なんだってそこの人に聞いた。
村に住む一人暮らしのおばさんのお宅に泊めてもらってね、川魚の伝統料理とか、名産の野菜とか振舞ってもらってとっても楽しかったのよ。
村の人も凄く良くしてくれてねぇ。
景色の綺麗な所教えてくれたり、魚の釣り方教えてくれたり、工芸品見せてくれたりね。
最高に楽しかったの。
ただ…。
ただ一つ気になったことが…。
ある日ベッドで寝て起きたら…布団がぐっしょり濡れてるのよ。
窓が開いて雨が吹き込んだワケでも、雨漏りした様子もないのに!
なんだかおばさんには言えなかったけど。
でも起きると毎朝毎朝、濡れてるの。
部屋の中も、あちこちに小さな水溜りが沢山。
夢だと思ってたけど、夜中にピタ、ピタ、ピタ、ピチョン…って水滴が落ちるような音がするの。
だって部屋の中なのに、水音なんておかしいと思うでしょ?
濡れた音…ゆっくりと近付いては離れるその音がとっても不気味で…。
まるで濡れた誰かが歩き回るみたいな音。
まさか、泥棒?って思って、気味悪いし、四日目くらいに我慢できなくなっておばさんに言った。
そしたらね…
『雨の日だからねぇ…』
って説明された。
その時はそれで納得したんだけど…。
でも!!絶対に雨漏りなんかじゃないよ!
…だって、部屋の中の水溜りが人の足の形をしてるんだもの。くっきりと。
床の部分を見たらね、足の形なの…くっきり指の部分まで見えてるのもあった。
誰かがびしょ濡れのまま部屋中を歩き回った、そんな感じ。
てんてんと続いていく足跡、部屋中に…。
よく見るとその村はどこか不自然な所が多かったの。
川の近くにある記念碑みたいなものとか、…よく見るとお墓だったり…。
ヘンな魔除けのお札みたいなものが家中の戸に貼ってあったり…。
村を囲む柵には何かの警告の言葉が書かれていたり、雨の日は全員で家の掃除をしだしたり…なんかヘンよね?
村の女の子と仲良くなったんだけど、その子に聞いてみたの。
何で墓地じゃなくて川の近くにお墓が二つだけあるの?流されたりしない?家中に貼ってあるお札は何のおまじないなの?って。
その子はお喋り好きだったから色々話してくれた。
お札は昔偉いお坊さんが来て、もれなしのお礼に魔除けとして村に置いてくれたもので、ずっと大切にしてるんだとか。
雨の日は必ずお掃除をする決まりがあって村独特の風習だとかね。
そして川の近くにある不自然なお墓の話……。
とっても悲劇的な話なんだ…。
あの村に昔、…本当に昔のことだよ?ある姉妹がいたらしいの。
姉は誠実で働き者、妹は姉思いの優しい子、二人とも大変美しい姉妹だった。
両親を早くに亡くしたその二人は仲良く仲良く暮らしていたの。
けれども村の一部の人達はその姉妹を疎ましく思っていた。
何故なら二人は大変な美人だったそうで、村中の男の子達が競って求婚したんですって。
そのせいで見向きもされなくなった女の子達が、その姉妹を妬んで嫌っていたみたい。
嫉妬って怖いよね。
ある日村長さんの家に泥棒が入ってお金が盗まれたの。
その泥棒と鉢合わせしたのか、村長さんは殺されてしまって村は大騒ぎになった。
犯人は誰だろう、という話が出た時にその村長の娘さんがこう言った。
『私犯人を知ってるわ。お父様を殺してお金を盗んだのはあの娘達よ!私見たもの!!』
…ってね。
犯人とされたのはその姉妹。
でもきっとそれは村長の娘の勝手な憶測だったの。
村長の娘も他の女の子と一緒で好きな男の子が姉妹ばかり気にかけるのを妬んでのこと。
そして邪魔な者は消してしまえと言わんばかりに、村の女の子達は次々と彼女達が犯人だと言い出した。
姉はその時病気で働けなかったらしく、村の中では厄介者だったみたい。
だから今までの求婚者達も冷たくて、誰も二人を助けようとはしなかったの。
よく考えたら病気のお姉さんがベッドを抜け出して盗みなんかすると思う?
…酷い話だね。
証拠も何もないまま、二人は犯人にされたの。
当時は怖かったね…村の人達がそうと決め付けただけで犯人にされてしまった…。
その村の掟により、二人は殺人と盗みの罪で川へ落とされるという罰を受けることになった。
静かに見える川は実は凄く深くて、流れも速いの。
そして恐ろしいのは手足を縛って川に落とされるということ。
どんなに泳ぎが出来てもそれじゃ助からないよね。
いわゆる死刑の一つだよ。
その日は雨だった。激しい雨の日。
ずぶ濡れの二人は橋の上に連れて行かれ、その間にも周りからは石を投げられた。
悔しかったでしょうね、恐ろしかったでしょうね…。
落とされる直前まで、無実を訴えていた二人だったけど無慈悲な腕が二人の体を橋の上まで持ち上げて…。
その瞬間、姉の方がこう叫んだ。
『待って!正直に言います…犯人は…村長を殺したのは私です、私一人です!!妹は何も知りません。離してあげて!』
愛する妹を助ける為に、お姉さんは嘘をついたの。
どちらも犯人でないのに…可哀相だね。
妹もきっと同じように言いたかったに違いない、姉のことを誰よりもきっと愛していたんでしょうから。
でも妹は姉を庇えなかった。
…それには理由があったの、妹の方はね…生まれつき口が聞けなかったのよ。
昔だから文字は誰でも書けた訳じゃない。
妹の言葉はアイコンタクトだけ、それは姉にしか分からなかった。
伝えたくても、きっと姉以外には分かってもらえなかったのでしょうね。
その姉の言葉で妹の方は許されたけれど、お姉さんの方は川へ落とされ死んでしまった。遺体は流され見つからないまま。
…妹はどんな気持ちだったでしょうね……。
これだけでも悲しくなるね、けれどもこの話には続きがあって……。
…無実の罪で姉を殺された妹は、お姉さんが殺された一週間後忽然と姿を消した。
それから数日たったある雨の日の夜。
村の半鐘を鳴らす人が居たの、それはあの妹だった。
それに気付いた村人は起き出した。
妹は姿を見せた途端走り出した。
逃げるように川へ向かう妹を追うと…村を川から守る堤防が壊れかけてたの。
『大変だ、直さないと!』
これは大変と村の男達は道具を持って川へ向かった。
川は雨で増水していたけれど、なんとか力を合わせて土嚢を積んだり石を積んだりして村を守ろうとした。
けれど次の瞬間、ありえないほど大きな鉄砲水が来て、そこに居た村人達は流されてしまったんだって。
30人くらい居たはずなのに、水がそこに来た後、誰一人…立っては居なかった。
妹はというと…一人高い所からその様子をケタケタ笑って見ていたらしいの…声は出さずにね。
そしてその妹は村へと向かった。家に残っている女の人や子供達の所へ。
雨音に紛れて妹は一つの家に侵入した。
持ち出していた斧で、そこに居た女の子を…。
家中、いえ村中の家を周って彼女は人々をその斧で手にかけた。
生き残った人の話によると雨の中逃げ惑う人達を追いかけて妹は半狂乱になりながら殺し続けたそうよ。大きな斧で。
騒ぎを聞いた隣の村から人が来た時、半分以上の村人が殺されてしまっていたの。
あちこちに死体が転がって、どこの家も水と血の混じった足跡だらけだったというから…想像するだけでも怖いよね。
その妹はその事件以降行方不明になったけど。
噂では川で姉の後を追って自殺したんだとか…。
村人への復讐をしたのね、この話は一部始終を目撃した人…たまたま無事だったんだね。
生き残った中に姉妹を陥れたあの村長の娘さんが居てこれはその人の話らしいの。
隠れてて助かったようだけど、その後ずっと姉妹の幻覚に悩まされて精神を病んでしまい最後には井戸に身を投げて自殺したんだって。
話では、その娘さんは病んでる間ずっと姉妹の名を呼んでいたらしいよ…。
その大量殺人の事件以降、村ではね、雨の日になると必ず女の子が二人、川の近くに現れるんだって。
ずぶ濡れの女の子が二人、仲良く手を繋いで村や川付近をウロウロと歩き回るらしいんだ。
まだ村を憎んでいるのかな?
川の近くのお墓はあの姉妹のもの。
…誰も埋まってはいないんだけど、鎮魂の意味も込めて後々作ったみたい。
不思議なことにどんなに川が氾濫しても、土砂崩れがあっても、あの墓石だけは流されたりしないと不思議がられてた。
村では今でも濡れた足跡が色々な所に現れるんだって。時には家の中も。
村の家中に時々濡れた足跡が残されているんだそうだよ。私が見たのと同じ。
まだ姉妹で彷徨っているなんてとっても可哀相…。
彷徨う二人はなんか若い女の子の居る所によく来るみたいだから、若い子達は雨の日、お守りを抱いて寝るみたい。
村長の娘さんを探しているのかな?一番憎いはずの相手を、自分の手で葬れなかったから?
それとも自分達に冷たくした村の女の子全体を憎んでいたのかなぁ?
早く安らかに眠って欲しいと思うよ。
私その話聞いた時泣いちゃった。
そのお話してくれた子は貴女優しい人ね、泣かせちゃってごめんね、って言ってくれたけど。
私凄く悲しくて切なくて…しばらく動けなかった。
お墓にお花沢山供えたよ、村の周りも綺麗にしたりした。
私……二人を思うと苦しい。
こんな素敵な村にそんな惨劇と悲劇があったなんて…!
村の人達はね、雨の日は家中の掃除をするの。最初に言ったね、この村だけの風習…もう伝統のようなものだよ。
これはずーっと決められた決まりごと。
何故?
だって…家中に水溜りと足跡が出来るんだもの。やらなくちゃ…ね?
しばらく滞在してその不思議な伝統に縛られた村を眺めたよ。
最初は怖かったし嫌だなと思ったけど不思議と、慣れてしまうものだねぇ。
悲しい思い出と共に私は帰宅した。
家へ帰ってからしばらくしてなんだけど、雨の日。
そう、雨の日。
気がつくとね、家中に水溜りが出来てたの…。
夜ベッドから起きようとして足突っ込んじゃった時はすっごい声で叫んだよぅ…。
だっていきなりびちゃっ!って足が冷たいものを踏んだの、嫌でしょ!?怖いよねぇ!?
夜にあの水滴が落ちるような奇妙な音がするし、家中水溜まりだらけになるし私困っちゃった。
今までなんともなかったのに。
雨漏りじゃないの、外は雨だったけど絶対に濡れない場所が濡れてるんだもん。
天井は何もないのに何で床に水溜まりが出来てるの?
私の枕が何でそんなに濡れてるの?
テーブルの下にどうしてそんな大きな水溜りが出来てるの!?
…って物凄く、動揺した。
勿論水道の故障でもない、私が何か零したわけでもないし。
酷いの。
カーペットも布団も椅子もピアノも濡れてるんだよ。
拭いても拭いても…終わらなくて。
雨の日っていったけど、絶対に雨漏りや湿気が原因じゃない。
一階のホールとか、寝室とか、絶対に雨なんか入り込まない場所でも濡れてるんだもの。
足跡に水溜りが沢山。
カーペットはびちゃびちゃ。
濡れた誰かが歩き回ってるとしか思えない。
あの村に行った時から何かがおかしいの…。
私も不本意なんだけど、雨の日は家中の掃除をするのが普通になってた。
私、思ったの。
きっと何らかの事情で私にその二人がついて来ちゃったんだって。
私も女の子だから…憎い仇の娘さんじゃないかと探しに来たのかな。
どんなに探してももう憎い仇はこの世にいないのに。
あまりにもお墓に近付きすぎたから?
それとも私がその村長の娘さんに似ていたのかな?
まあ、そんなことはどうでもいいんだけどね。
でも…私の家に居るのは間違いない。きっとあの村から連れてきちゃったの。
雨の日は憂鬱だった。
家中のお掃除と水滴を綺麗にとる仕事は大変だもの。
ごめんねぇ…。
前に妹が怒ったことがあった、『なんで姉さんが家に来ると、そこらじゅうが濡れるんだ?掃除が大変なのに』って。
お姉ちゃんじゃないのよ…。ごめんね…。
私の後を着いて来てるのね、きっと。
そうゆうのって、共感してくれた人や、思ってくれてる人の所について来ちゃうことがあるんですって。
私があまりにもお墓の前で色々聞いたからからかなあ?
無闇に聞くものじゃないよ、本当に。
でも…もう慣れちゃった。
床は濡れたら拭けばいいし、晴れた日には気にならいわ、私は気にしないようにしてる、これが生活の一部であり、私の雨の日の過ごし方。
少し大変だけど。
寝てると雨漏りしてもいない天井からピチョン、って水滴が顔に落ちてきたりもするのは少し困っちゃうけど…でも慣れたから大丈夫。
あ、夜中にガラス窓をふと見たらね。
私の後ろに女の子の姿がちらっと見えたことがあったの。
髪の長いずぶ濡れの、女の子。
でも酷く恨めしそうな顔で睨んでいたよ、気持ちは痛いほど分かるけどどうしようもないでしょう?
そんな感じでしばらくたったある日。
夜中に目が覚めたの。
その日は何でだかパチ、と冴えちゃって。
雨の音がしたからああ、またお掃除かなーって思って目を開いたら。
ベッドを取り囲むようにして女の子が二人、私の顔を覗き込んでたの。
ずぶ濡れで、髪の長い女の子。
一人は栗色のウェーブのかかった髪、もう一人は金髪のお下げ髪。
仲良く手を繋いでいたよ。
顔色は酷く悪くてね、髪の毛の間からこっちを見てる目は見開いたまま瞬きしていない。
不気味で恐ろしい顔…。
生臭いような臭いまで漂ってて…。
ポタポタ二人の髪から垂れる水滴が私の顔にまでかかって怖かったし冷たかった。
え、何!?って思ったけど。
『ごめんね助けてあげられなくて。
でも、分かって!いつまでもこの世に居たって何にもならないんだよ。
貴方達の気持ちは分かる、憎いし悔しかったのよね?悲しかったのよね?
お願い、許してあげて?
早く次の世界へ行ったほうがいいよ、そこは寒いでしょう?悲しいでしょう?
天国へ行ったらきっと楽しいよ、生まれ変わったらもっと楽しいよ…恨むより許してあげて!』
私はこう心の中で呼びかけたの。
すると二人は顔を見合わせた。
私、その時も泣いちゃった。
怖かったって言うより、彷徨い続けるのが可哀相になって。
そしてしばらくしたら、少しだけ優しい表情になってね。私の思い込みかもだけど。
二人はスッと消えてくれたの。
二人が居た後には水溜りが残っていたけど、姿は跡形もなく消えてた。
悲しい悲劇は、繰り返してはいけないよね。
どうか来世では、幸せになってるといいなぁ…。
ん?
今でも雨の日にはお掃除するよ?
え、だって…あちこち水溜りだらけなんだもの。
……え?うん。その栗毛と金髪お下げの二人はもう居ないよ?あれ以来見かけないし。
でも…。
前に言ったでしょ、ガラス窓に写った女の子。
あれ、よく考えたら私の見た二人の女の子のどちらでもなかったんだよ、私すっかり忘れてて…えへ。
そこでふと勘違いに気がついたの。
今思えば水溜りも足跡も、妙に多かった気がするし、村に張ってあったお札も、あれって魔除けじゃなくて中にある何かを封じ込める意味合いの札だったようだし…。
何よりインターネットで調べたらそこは有名な心霊スポットになってた。
何十年も前から廃村になったまま、幽霊が出るって有名な…ね。
私が連れてきたのは姉妹じゃなくて。
村 人 達 の 方 だ っ た の ね …… って。
あの二人も、ガラスに写った子も、例の姉妹じゃない。
妹に殺された…村の女の子達なの…。
そう、言ったでしょ。
そういうのは共感してくれる人の所へついて来ちゃうって。
無闇に他の地へ行って涙なんか流したりしたらダメ。
調べても私が滞在した村自体もう存在していなかった、…私はあの時いったいどこに…居たんだろうね。
家や村の周りに貼ってあったお札は…村全体を封じ込める為に他所の誰かが貼ったものだったんだよ。
惨劇により彷徨っている村人達が…あそこにはいっぱい…可哀相な人達が居たんだねぇ。
村やお墓を私掃除してきたけど、もしかしてお札を間違って剥がしちゃったのかも…。
怖いね、怖いよね!!
あ、でも。その後見た夢の方が怖いな。
何故かあの村に居る夢を見たの…。
あの姉妹が幸せそうに暮らしてた。
家にいる村人の誰かが私に見せようとしてたのかな、事件の真実を……。
平和な村の風景、どこか懐かしい時代。
慎ましく生きる姉妹が居たよ。
だけど姉が病に倒れ、妹は必死で看病してた…けれど次第に村全体が二人に冷たくするの。
私はそれをずっと見ていた。その子達の側で。
ヘンな夢、私が幽霊みたいにそこに立ってそこで起こることを見てるの。
お姉さんの病気は治らないものではないけど、薬代が凄くかかかるとお医者さんから言われた。
妹は街へ行くんだけど、お金がなくて…追い返されちゃうのね。
村の人へ頼むんだけど、貧しいからそんな余裕なんかなくて断られちゃうの。
姉妹は絶望して悲しむのよ…。
ある雨の日の夜、…村長さんの家に黒いマントを被った泥棒が入った。
金庫が開けられ、物音に気付いた村長さんはそれを見てしまい泥棒を捕まえようとしたの。
けれど振り向いた泥棒は鎌を持っててそれで村長さんを切りつけたわ…。
その泥棒の顔がランタンに照らされた……それはあの妹の顔だったの!!!
……お姉さんの薬代が欲しかったのかな……。
口の聞けない彼女の言葉はアイコンタクトだけ。それはお姉さんにだけ分かった。
きっとお姉さんは全てを知っていたけれど、妹を生かそうと一人罪を被ったんだね…きっとそこまで愛していたから。
妹の行動は…逆恨み。
お姉さんが居なくなった時から、おかしくなってしまったのかもね。
いいえ、村の人達も勿論悪いわ。話もロクに聞かず犯人に吊るし上げたりなんかして。
でも…結局みんな可哀相なの。
……何が真実かなんて、この目で見ないと分からないことって多いんだね。
雨の日は、憂鬱になるよ。
ピチャ、っていう水音も嫌いだよ…。
家の中で確実に誰かが歩き回ってる音だもの。
今でも、私のお家は村人達の足跡と水溜りで掃除が大変だもの………。
最近気になるのは客室の前の廊下!廊下の床がね…湿気のせいで凹んでるの…小まめに拭くようにはしてるけど。
あそこを歩かないように頼めないかなぁ?村の人達に。
お家直したいけどそんなお金ないものね…。
あ、あともう一個気になったことといえば。
あの姉妹はまだあの村に居るんだろうなってこと………。
何の解決もされてないまま、これからも、ずっと村の隣で彷徨い続けるのかなぁ……。
村人達は、死して尚姉妹に怯え憎みあいながら彷徨うのかしら。
…って凄く心配になったけど。
ああ、そんな顔しないで皆!
大丈夫だよ!!
雨の夜、寝室の窓から外を眺めるとね。
時々大きな斧を持ったずぶ濡れの女の子が見える気がしてたんだ、後ろには似たような感じの女の子がもう一人。
前はもっと遠くに見えていたんだけどね。
そのうち顔が分かるくらいまで見えるようになったよ、だんだんと近づいて来てたのね。
あれが本当の例の姉妹だと思う。
銀髪の凄い美人さんなんだよ。
ついにすぐそこに来た時、私は恐怖心よりやっと会えたねって気持ちになっちゃって。
『大丈夫?辛かったね、苦しかったね…もういいんだよ?恨まなくて。
お姉さん、悲しまないで。妹ちゃん…皆を許して、もう恨み続けるのは疲れるでしょう?お姉さんの為にもいつまでも過去に縛られないで
好きにしていいんだよ、どうかもう幸せになって…!!』
そう心で語りかけた。
言わずには居られなかった、二人の怖いほど落ち窪んだ目から流れる水滴が、泣いているように見えたから。
二人は雨に溶ける様に消えたよ。
良かった!分かってくれたんだね、これで本物の姉妹も救えた!!って嬉しかった。
…知らない土地で、余計なことをしちゃダメって勉強になったわ。
貴方達も、気をつけてね。
もし水で困ったら私に聞いて、良いお掃除の仕方、教えてあげるよ。
…ああ、私の家のお掃除ね。
何でだか最近水溜りに赤い血がまじってるんだ……夜中に悲鳴みたいなのも聞こえるし…何なんだろうね。
そういえば姉妹も私のことをわざわざ探して来てくれたのかなぁ?
惨劇や悲劇はもう起こらないといいね………。
私はそれを願うばかりだよ…。
怖い名無しさん、投稿ありがとうございました
- 関連記事
~おすすめサイトの新着記事一覧~
この記事へのコメント
- 探されてるのも末恐ろしい話
- こんな話し信じるなんて…
- 面白い話ではあるけどちょっと長いです
結果語り部さんは村一つ分に取り憑かれたことになるけどキャパシティ有り過ぎ
そしてこれはどこの話?日本だとしても髪色が気になるし、欧米圏だと坊主がじゃまに… - 気をつけろ!新手のスタンド使いの仕業だぜ……!
- 最初・・・文体がウザくてイライラ
途中・・・なんかいろいろ読ませるぞ♪
後半・・・いろいろボロが・・・ - ダヤい文章だな
- 読まないでコピペしただけだろ管理人
- イラつかせ具合が天才的
まぁ直訳なんだろうけど…
言葉とはこんなにも人の心を変化させるものかと感心しました。 - 「あの村に昔、…本当に昔のことだよ?」
ww - いずれにしても、個性的な文章への反響は大きい。
よく、釣れてます。お見事。 - 時間返せ
- ちょっと信じられないかなあ……
「この話に共感して可哀想って思ったあなたは注意してね、きっと女の子(や姉妹)があなたのもとに……」
とかで終わればいいのに、エンドまで長いw
鉄砲水で30人もいた男性がみんな流されてしまって喋れない妹しかいなかったのなら、なんでその状況を知ってるのか、
村の話なのに金髪、栗色、銀髪の女の子が登場するのか(欧米?)、
水溜まりが大量にできるほどびしょ濡れなのに、寝てるそばに来た女の子の髪がウェーブしてたのはなぜか(よほど強烈なパーマじゃない限り髪はカールしないんじゃ)、
突っ込みどころも多いな、と
そうこう言ってたら長くなっちゃいました
人のこと言えませんね…… - これ「言語フェチ」とかいうやつと同一人物じゃね?なんかそんな感じがする。
- なんだこの学校であった怖い話みたいなのは・・・
5点。 - 無駄に長くて読むのやめた
- まず、髪の色だろwww
おまえはどこから来た?異世界かっつーの。世の中、すぐ諦める霊なんかいねーし、生存者に至っては偽善者すぎwwって隣の死んだ兄ちゃんがいってるよwwww - 長すぎる
作りすぎ - 20代のわたし語りクソブログ
この話の最後に自撮りでも貼ってりゃ完璧だろうな - 糞
- 読み終えて冷静に考えると、整合性に欠ける点が出てくるのだが。
- 良くわからん話
- >>病気のお姉さんがベッドを抜け出して
ベッド+髪の毛の色で異国の話、でコピペ。
それも下手な翻訳。 - ほっこりしました。
- 異国なのか日本なのかさっぱりわからん。しかも長い。
- ぶはっw つかりたぁ~~~~www
- 語り方は個人的に好きなのだけど、時代や人物の設定・全体の話の纏め方が滅茶苦茶
締め括りも不要な文章を詰め過ぎて無駄
もっと設定や簡潔なオチの付け方をしたら面白かったかもしれないのに、実に残念な話 - 髪の色wwwwwwwアニメかよwwwwww
てゆーか、体験者は日本語覚えた外国人?それとも誰かが翻訳した?
ちなみに金髪と栗色の二人はなのフェイ、姉妹はアインスツヴァイで脳内再生しちまったよ…おかげで全く怖くなかった - 無駄に長い。疲れた。
- ひでえ。
毎朝布団が濡れてるのは話者の寝小便。しかも布団が濡れているのを宿主に言わないとは!!臭いし腐るしカビがはえるだろが。
坊さん出したり金髪娘出したり世界観も設定もぶれまくり。
口もきけず文字も書けない妹が薬を無心するエピソードもばかみたい。
津山事件みたいに猟銃有りの寝込み襲撃でもないのに
小娘一人が大量殺戮するエピソードも有り得ない。『ひぐらし』の見過ぎじゃないかね。開いた口が塞がらない。
真面目そうな管理人さんがこの駄文を採用したのが一番の恐怖。 - 「ぼっけえ、きょうてえ」
の文体模倣? - この話…作り話だ!(笑)
- 貴女、極度のメンヘラだね。
- 創作だと思うけど、独特な文体が長過ぎた。勿体無い。
内容は、悪くない。
実話だったら、早く除霊するべきだけど、長く掛かりますね。
一太郎 2014年12月11日 05:31:32
長過ぎて途中から訳がわからなくなりそうだった(汗)