【百物語 第八十一話】スリッパ : てら…こわす。~怖い話まとめちゃんねる~
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【百物語 第八十一話】スリッパ


学校というところは、得てして不思議なことが起こる場所でありまして。
また、得てして不思議な人が集まる場所でもあるのです。

Kの通う高校の、生徒用玄関とは別にある正面玄関。
様々な人が出入りすることから、常時客用スリッパが大きな箱の中に乱雑にはいっていた。

ある放課後、Kがその正面玄関を通ったとき。
丁寧にスリッパが一揃え、置いてあった。

K「出しっぱなしか。片付けろよなー」

Kはスリッパを重ねて、箱に入れた。

Kが再び正面玄関を通ったとき、また、スリッパが一揃え置いてあった。

K「出したらしまえよ…」

Kはぶつぶつ言いながらも再びスリッパをしまう。

部活を終え、Kが帰ろうと正面玄関の側を通った。

何の気なしに、ふと正面玄関の方を見れば、上がり口に何かが置いてある。

K「ハァ?また出しっぱかよ」

ねーよ、と言いながら通りすぎようとすれば、部活の顧問が通り掛かった。

「K、それ片付けといてやれ」

冗談じゃないと目を剥くKに構わず顧問は去る。

なんで俺が、と思いつつスリッパを仕舞った。

さて帰るか、とKはまた正面玄関の側を通る。何だかんだ言ってここは近道だったのだ。まっすぐ進めば、正面玄関が見えてくる。

Kは目を見開いた。

スリッパが、一揃え。こちらに爪先を向け、きちんと並べられている。

K「嘘だろ…」

もう、外はすっかり暗い。こんな時間に誰がくるというのか。帰るにしても、遅いにもほどがある。

ようよう、Kはそれを気味悪く感じた。
じっとスリッパを見る。

友人F「K、何してんの」
K「お…おー…。あのさぁ、さっきから片付けても片付けても、スリッパがさ、置いてあるんだよ」
F「…へー」
K「何だろうなこれ…」
F「…はいてほしいんじゃね?」
K「…は?」
F「スリッパ、誰かにはいてほしいんじゃね?」
K「…はぁ?冗談言うなよ…はいてほしいとか…」

スリッパを見る。きちんと爪先を向けて、静かに佇んでいる。

K「…だったら俺はいてやろっかな?」

ふざけ混じりに言えば、友達が冷めた声でいった。

F「やめたほうがいんじゃね」
K「なになに?祟りがあるとか?」
F「やー、だってさ?」

友達はスリッパを手にとって、重ねた。

F「いるの、足だけじゃん」

K「…は?」

F「欲しいのは足だけだからさ」

Fは箱にスリッパを投げ込み、「マック行こうぜ」とのほほんと言った。

欲しいのは足だけ?

じゃあ、それ以外は。

小さく音が鳴った。

Kが振り向く。

小さな爪先が、こちらを、


一揃い。



理科室のミッカン酢さん、投稿ありがとうございました


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この記事へのコメント

  1. 一太郎 2015年02月08日 04:14:08

    鋭いなF君!!
  2. 隙間風 2015年02月08日 21:07:06

    並んでいたスリッパは常に同じ対のものだったかを気にしてみたり

    何足も足を欲していたとしたら、楽しいと思いませんか?
  3. 怖い名無しさん 2015年02月09日 01:06:18

    寺生まれのF君。


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